森永卓郎の経済展望:今年最大の波乱要因は日銀の再利上げ
結論から書く。2007年の日本経済は、安倍政権が続き、デフレ脱却宣言が出される。経済成長率こそ2%程度とゆるやかになるが、日経平均株価は2万円を超え、都心の地価は劇的に上昇する。そのなかで経済格差は一層広がって、大企業は利益を拡大するものの、中小企業の不振は続く。大都市は栄えるが、地方は停滞を脱しきれない。米ドルは緩やかに減価し、人民元は緩やかに増価する。サラリーマンの手取り所得はほとんど増えず、消費は低迷が続く。
以上が私の2007年日本経済の予測だ。もちろん、将来のことを完全に見通せるわけではないが、なぜ私がそう考えるのかを以下で述べていこう。
自民党は参院選で惨敗、ただし安倍総理は続投
まず私は、安倍政権は参議院選挙で惨敗するものの、政権は続くだろうとみている。
第1の理由は、他に代わりがいないということだ。小泉内閣以降、自民党の支持基盤は、浮動層になってしまった。構造改革で選挙支援組織を潰してしまったからだ。そうなると、党の代表は、大衆に人気のある人しかなれない。選挙のことを考えたら、いまや自民党総裁を務められるのは、残念ながら見栄えのよい人だけだ。安倍晋三総理並みのビジュアルを持つ人は、ポスト安倍のなかには見当たらないのだ。
第2の理由は、安倍総理の行政手腕だ。会期の短い臨時国会で安倍総理は、重要法案と位置付けた教育基本法案と防衛庁の防衛省への昇格法案を共に成立させた。それどころか、政府提出の法律・条約14本をすべて成立・承認させた。結果は残しているのだ。
第3の理由は、衆議院での圧倒的な勢力だ。郵政造反組の復党で、衆議院では480議席のうち与党が336議席と、3分の2を大きく上回る議席を押さえている。仮に選挙後、参議院が過半数割れになったとしても、参議院で否決された法案は、衆議院に戻して3分の2以上で再可決すればよい。安倍政権の政権運営に何の問題もないのだ。
日銀の金融引き締め効果は大きい
政治的な波乱がないとすると、次は経済的な波乱だ。私が考える経済面での最大の波乱要因は、日銀による再利上げだ。大部分のエコノミストは3月までに日銀が再利上げに踏み切ると見ているが、私は、再利上げはないと思う。仮にあったとしても、あと1回だけだと思う。もし、この前提が間違っていれば、今回の私の予想はすべて誤ったものになる。その場合、日本経済は失速するだろう。それほど日銀の金融引き締めは影響が大きいのだ。
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