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猪瀬 直樹氏「半年ですべての道路建設計画をチェックせよ」

2006年12月13日

(猪瀬 直樹=作家)

道路特定財源を一般財源化して、使途を道路以外にも使えるようにしたい、というのが小泉純一郎・前首相の信念だった。もともと道路公団民営化と道路特定財源の一般財源化はセットで無駄な支出の抑制(適切な建設投資額)を図るつもりだった。

日本道路公団に2001年度まで年間3000億円が道路特定財源から回っていた。この税金3000億円を道路公団から抜いても公団のキャッシュフローは潤沢なので、民営化でコスト削減すれば借金返済はできる、と僕は小泉前首相に提案した。

2007年度は7000億円が余る、公共事業は減っても道路特定財源は確保されたまま

小泉前首相と道路族との綱引きの結果、特殊法人等整理合理化計画(2001年12月19日閣議決定)に「(日本道路公団に)国費は投入しない」と記された。3000億円が浮いた。2002年度の予算でこのうち2200億円が一般財源化された。この財源は2003年以降、本州四国連絡橋公団(以下、本四公団)の債務処理へ回されることになった。

本四公団の債務は4兆円もあり、通行料金だけでは返済できない。そこで4兆円のうち約1兆5000億円を税金で返済することにした。日本道路公団から抜いた3000億円は、この債務処理に使われた。

本四公団の債務処理の支払いは、2004年度に3039億円、2005年度に4829億円と増えつづけ、2006年度分は4522億円ぐらいで、処理は計画の前倒しで終わる。

2000、3000、4000億円と金額が増えていったのは、余剰金の始末に困った国土交通省が本四公団に注ぎ込んだせいだ。小泉政権になって公共事業予算が毎年3パーセントずつカットされてきたのに道路関係の税収が確保されているのだから、余剰金が出るのは当然である。

2007年度は道路特定財源に7000億円近い余剰金が生じるはずだ。

道路特定財源は3兆5000億円に達する

道路特定財源とは、揮発油税(ガソリン税)2兆9000億円の全額、自動車重量税6000億円など3兆5000億円もあり、自動的に国土交通省の道路整備特別会計に繰り込まれる仕組みだ。これとは別に地方の特定財源も2兆2000億円がある。

ガソリンは酒やたばこと同じで、半分が税金と思えば分かりやすい。巨額である。自動車重量税は車検のときに4万円ほど取られるから、あれか、と分かる。ついでに車検のとき自動車税の納税証明書を出せ、と言われる。保有するだけで取られる。クルマを買ったときに取られるのは自動車取得税。乗用車はガソリンで税を支払うが軽油を使うトラックは軽油引取税を支払う。自動車税と自動車取得税、軽油引取税は地方税である。

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