このページの本文へ
ここから本文です

ダイエー再生のカギは“超”総合スーパー(2)〜消費社会の変動を生き抜くモデルを描け

2006年10月30日

(川崎 博之=日本食糧新聞社)

(前回記事はこちら

仕切り直し

西見社長をはじめとするダイエーの新経営体制は10月6日に決まったばかりだ。就任記者会見で西見社長は、再生を終えたダイエーの姿を「負債などを半分以上減らし通常の企業と同様の財務体質を持つ企業」と描いて見せた。その心は「銀行から健全な融資が受けられ、自由な経営判断ができることだ」という。銀行によって産業再生機構の支援を受ける事態に追い込まれ今日に至った、ダイエー関係者の心中を察して選んだ言葉とも読める。

一方で、再生のためには「あらゆる選択をいとわない」とした。丸紅はこれまでダイエーに対して、自前主義からの脱却を強く求め、一度は食品への特化に再生の糸口を見いだそうとした。しかし今度は、西見体制の下で「おろそかになった衣料品・日用品の2分野を強くしたい」(西見社長)と、総合スーパーとしての再建にかじを切る。

産業再生機構が関与した当初のダイエー再生構想は、総合スーパーの業態を食品特化へ、つまり食品スーパー業態に転換するというものだった。衣料品や日用品などはテナントに依存する考えをとった。しかし同機構からダイエー再生を託された丸紅は、テナントへの依存だけでは再建が加速しないと判断。その結果、イオンを再生パートナーの候補に選び、ダイエー、丸紅、イオンの3社で再生の具体的なプランを練り直すことにした。

丸紅の思惑

再生に取り組む丸紅とイオンの展望は、必ずしも一致しているとは言えない。

もともと丸紅は、自身の食品事業を強化する戦略の一環として、ダイエー再生に手を挙げた。丸紅は、三菱商事や伊藤忠商事、三井物産のように影響力を行使できる総合食品卸を持っていない。このため、東武ストアやマルエツなどの有力な食品スーパーに資本参加するなどして、食品流通の川下を掌握する戦略を進めてきた。ダイエーの再生支援もこの流れに沿った取り組みだった。ダイエーは、かつて「食のダイエー」と呼ばれていただけあって、食に強みがある。

しかし、ダイエーを食品スーパーとして“再生”させる道は、予想以上に険しかった。ダイエーの主力事業は、結局のところ総合スーパーだ。そして、食品スーパーと総合スーパーとではビジネスモデルが異なる。ダイエーが食品に特化することで十分な再生ができなかった以上、丸紅が「小売専業と組んで新たな再生を進めたい」と考えるのは当然の帰結であった。

(全 2 ページ中 1 ページ目を表示)

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

記事検索 オプション

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る