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衆院補選で2勝した安倍自民党の手放しで喜べぬ内情

2006年10月24日

(浅川 博忠=政治評論家)

弾みのついた安倍自民党だが

10月22日に投開票された神奈川16区と大阪9区の2つの衆議院補欠選挙。直前の予想どおりに自民党が2勝を収めた。

この補欠選は、共に選挙に強いと称される安倍晋三首相と小沢一郎・民主党代表の初の対決として、当初から注目されてきた。安倍首相の若さと新鮮さに対して、小沢代表のべテランぶりと重厚感。小泉改革路線を継承する安倍氏と、その改革路線が格差社会を招いたと批判する小沢氏。

だが、実際の話、選挙期間中の論戦はかみ合わず、行き違いの様相が強かった。というのも小沢代表を筆頭に菅直人・民主党代表代行、鳩山由紀夫・同幹事長らが格差社会是正を強く訴えたのに対して、安倍首相、小泉純一郎・前首相、中川秀直・自民党幹事長らは、北朝鮮の核実験を受けての安保外交問題を主軸とする戦法で応じた。加えて、「真面目に努力する者が報われる社会形成に尽力する」とも主唱してきた。

北朝鮮の核実験などにより日本国家の危機が懸念されるときには、実際に政権を担当している与党サイドが有権者の支持を得やすくなるのは否めない。北朝鮮問題は、安倍政権にとって紛れもない大きな追い風と化した。

勝利を収めた自民・公明両党は「この勢いで今国会を乗り切り、来夏の参院選も勝利する」と張り切っている。しかし、現実はそんなに甘くはない。後述する、郵政民営化に造反した議員の自民党復党問題が次には待ち受けている。また11月には、沖縄・福島両県の知事選がある。両県共に野党側の候補者が現時点では少々リードしている情勢だ。特に沖縄は自民党に厳しい。これらの知事選で勝利を収めてこそ、安倍政権に弾みがついてこよう。

弔い合戦はやはり強い。一方、小沢代表は?

ところで、2つの補欠選を回顧してみよう。まず神奈川16区。山崎派幹部で農水、運輸相などを勤めた亀井善之氏がガンに侵されて死亡。病魔と闘いつつ、昨夏の郵政総選挙に臨んだ姿は壮絶だった。

円満で穏やかな性格。70歳に達するものの、今後のさらなる活躍が期待される政治家だった。彼の死を惜しむ多数の人々が東京・青山葬儀場で彼を見送った。この席で長男・善太郎氏が、遺族代表として無念の挨拶をすると同時に、事実上の出馬宣言を行った。まさに弔い合戦の典型的なスタートだった。

これに対して民主党は旧通産省出身の“実現男”を自任する後藤祐一氏、共産党は笠木隆氏を擁立したが、終始、典型的な弔い合戦選挙に追いつくことができなかった。

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