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松下電器、大坪体制がいよいよ船出

2006年7月11日

(大河原 克行=フリーライター)

記者会見を行うとき、中村邦夫前社長(現会長)はいつも、比較的ゆっくりした歩みで会場に入ってきた。いっぽう大坪文雄社長は、やや早足で会場に入ってくる。新旧社長の差は、こんなところに表れる。

著者は、大坪社長への単独取材を、これまでに何度となく行っている。あるとき、松下電器の受付に到着してスタンバイしていたところ、大坪氏は、駆け足で玄関を通り抜け、あっという間にエレベータに乗り込んでいった。こんなこともあった。大坪氏への取材を終えた後、わずかの間、製品の写真撮影をして部屋を出ると、すでにスーツから制服に着替えた同氏とバッタリ。もう別の仕事を終わらせて帰ってきたところだった。

大阪・門真のいわゆる「松下村」で仕事をしている、あるマネージャーは、大坪氏のパイタリティーに舌を巻く。「門真にいるときは、時間があけば、必要だと思った部門に自転車に乗ってやってくる」。このバイタリティが、早足となって現れているのかもしれない。

7月7日に行われた新社長就任会見でも、大坪氏は、いつものように、やや早足で会見場に入ってきた。社長になっても、大坪氏らしさは変わらない。

モノづくり立社を目指す

会見の冒頭、資料を表示するプロジェクターがうまく動作しなかった。大坪氏は一瞬困惑した表情を見せたものの、「少し出足でトラブリましたが、これからは順調にいきますので、よろしくお願いします」と切り出し、記者団の笑いを誘った。

会見では、「これまでの経営改革への取り組み」と、「私が取り組むべきこと〜グローバルエクセレンスに向けて〜」という二つのテーマについて説明した。会見の詳細については、別稿に譲るが、全体を通じて大坪氏が強調したのは、「モノづくりへのこだわり」だった。

打ち出したコンセプトは、中村前社長が掲げていたコンセプト「技術立社」を進化させた「モノづくり立社」。「モノづくりは、製造部分だけを指すのではない。商品を生み出すプロセス全体を指すもの」(大坪社長)と定義。開発、企画、デザイン、設計、調達、製造、品質、マーケティング、サービスに至るすべてのブロセスをモノづくりの構成要素と位置づけた。

next: すべての活動は商品として結実する…

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