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インサイダー取引に手を広げた東京地検の狙い

2006年6月26日

(松崎 隆司=フリーライター)

ライブドア事件の波紋が広がっている。

堀江貴文・ライブドア元社長、同社の元役員に続き、村上ファンド代表の村上世彰容疑者が東京地検特捜部によって逮捕された。

容疑はインサイダー取引だ。

インサイダー取引とは、株式を公開している会社の役員や従業員といった関係者が、その地位を利用して取得した重要事実が公表される前に、株式を売買する行為のことだ。

「ある会社Aが別の会社Bの株式を5%以上買い集める」との情報を事前に知って、会社Bの株式を買い集めた場合もインサイダー取引となる。村上容疑者の逮捕は、「ライブドアがニッポン放送株の5%以上を取得する」との情報を2004年11月8日に入手し、翌9日から2005年1月26日までにニッポン放送株193万株を取得した疑いだ。

村上氏とニッポン放送の間には、村上氏が2003年以降、ニッポン放送株を買い集め、ニッポン放送に買い取りを求めたが同放送が拒否した経緯がある。取得したニッポン放送株の売却先を探していた村上ファンドは、楽天やライブドアに打診。結果として、ライブドアが手を上げた。

大手メディア対堀江・村上ファンドという対立の構図

東京地検特捜部が動き出したのは2005年春。「水面下で動き出した特捜部にフジサンケイグループの関係者が情報をリークしていた」(フジサンケイグループ関係者)。

さらに読売新聞の渡邉恒雄氏も腰を上げた。「プロ野球1リーグ制の夢を堀江容疑者に断たれた渡邉恒雄氏が率いる読売新聞も、特捜部の捜査に協力した」(大手全国紙司法担当記者)。大手メディア対堀江・村上ファンドという対立の構図が生れていた。

渡邉氏は日ごろから「日本のプロ野球は、12球団を10球団に整理して適正規模にすれば、みんな黒字になる」と主張していた。だが、堀江容疑者が近鉄バファローズの買収に手を挙げたことで、上げ潮だった1リーグ制への勢いは消えてしまった。その後、ライブドアに対抗して楽天が新球団設立に手を挙げたことで、1リーグ制の夢は潰えてしまった。

なぜ東京地検特捜部が動き出したのか

東京地検特捜部は従来、政治家の汚職や贈収賄、談合など、「巨悪」と呼ばれる国家的な犯罪を捜査の対象としてきた。いっぽうインサイダー取引は3年以下の懲役または300万円以下の罰金。実際に適用されたケースでは、懲役が半年から1年、罰金は50万円から100万円と飲酒運転並で、扱いは決して重くない。

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