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ライブドアの上場廃止を決断した東証の真意を考える

2006年5月30日

(松崎 隆司=フリーライター)

ライブドア元社長の堀江貴文氏が4月27日、逮捕以来94日ぶりに仮釈放された。15キロ近く痩せたその表情は、以前とは打って変わって健康的になっていた。

とは言え、同氏の今後の道筋は決して明るくない。1月22日の逮捕の翌々日、1月24日にはライブドアの代表取締役を退任。25日には取締役も退任した。仮釈放後は、現在ライブドアの経営再建を進めている平松庚三社長から「復帰はない」と引導を渡された。

有価証券報告書の虚偽記載を理由に上場廃止

東証マザーズで時価総額1位を誇っていたライブドア株は、堀江元社長が逮捕された翌日の1月23日に特設ポストに移行。そして4月14日、ついに上場廃止となった。

ライブドアが上場廃止になった理由は、一言で言えば、有価証券報告書に虚偽の記載をしたため。東証はホームページ上で「平成16年9月期連結財務諸表について、経常損失を計上すべきところを多額の経常利益を意図的かつ組織的に計上した。これは、その金額において重大であり、投資者の投資判断にとって重要な情報を故意に偽った点で悪質であり、これを組織的に行った点で上場会社としての適格性を強く疑わざるを得ないものである」(東証のホームページ)と説明している。

東証が、有価証券報告書への虚偽記載を理由に上場廃止とした企業は、実は意外に少ない。「1978年12月27日の不二サッシ工業と不二サッシ販売、1980年3月28日の大光相互銀行以来ほとんどなかった」(東証広報担当者)

東証はこれまで、「上場するような企業が、ウソをつくはずがない」という“性善説”をとってきたからだ。具体的には、上場するときには厳しい審査をするものの、上場してからは厳しいチェックはしない、という運営をしてきた。

ナスダック・ジャパンの登場と東証の株式会社化が性善説を揺さぶる

ところが東証は、この性善説のスタンスを大きく変えて来ている。

東証を大きく揺さぶるきっかけとなったのはナスダック・ジャパンの設立だ。ナスダック・ジャパンは、世界最大規模の証券取引所となっていた米ナスダックとソフトバンクが提携して、1999年12月、大阪証券取引所内に開設したもの。2000年6月に取り引きをスタートした。ナスダック・ジャパンは企業のスピード上場を実現するため、上場のための基準を大幅に下げた。

next: 新興企業市場だけに性悪説を適用する動き…

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