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加えてマイクロソフトは、有料ネットワークサービスであるXbox Live Arcadeに「パックマン」(ナムコ)や「ストリートファイターII」(カプコン)のような大手ゲームメーカーのクラシックなゲームソフトを追加。またXbox Live Arcadeを、インディーズのゲーム制作者が開発した新作ゲームの発表の場にする、という試みも提案した。

さらに、次世代OSの「Windows Vista」とXbox360、携帯電話の連携サービス「Live Anywhere」構想も発表(関連記事)。マイクロソフトは、全社を挙げてXbox360をバックアップし、ソフトの充実を図ることを約束したのである。

いよいよ曲がり角を迎えるアメリカのゲーム産業

3社の発表は、質も目標も全く違うものだった。技術の革新をてこに力づくで未来を切り開き、Cellチップの普及を目指すソニー・コンピュータエンタテインメント。遊びを追求して、ゲームユーザーの満足度を第1とする任天堂。Windows VistaとXbox360の連動や、大手ゲーム会社との連携によって、Windowsビジネスの成功を目指すマイクロソフト。

これまでのゲーム機戦争は、有力ソフトメーカーを抱きこむことによって、自社のゲーム機のシェア拡大を狙うものだった。しかし今年のE3では、ゲーム機に対する各社のイデオロギーの違いが浮き彫りになった。まさしく「ゲーム機戦争は変わった」のである。

長年、不調と言われていた日本のゲーム産業は昨年、Nintendo DSの「東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛えるDSトレーニング」などの大ヒットによって、大変革期を迎えた。携帯ゲーム機に注目が集まり、だれもが楽しめるゲームらしくないゲームが注目を浴びた。この変化は世界で同時多発的に起きつつある。

いっぽう1996年以来、右肩上がりに成長してきたアメリカのゲーム産業は昨年、はじめて下降衰退した(2006年、ESA調べ、13ページ参照)。アメリカのゲーム関連企業もまた、ゲーム産業の危機を予感し、変化を求めているのだ。

今回の発表を見る限り、ソフトの充実を図るXbox360が北米市場を支配することは間違いないだろう。日本の市場は、WiiとNintendo DSを擁する任天堂が有力。PlayStation 3がどこまで伸びるかはまだ分からない。今後の発表次第だろう。ソニー・コンピュータエンタテインメントがライバルとしているのは、もはやゲーム機ではなく、ハードディスクレコーダーやパソコンであるような気もする。

前述した「メタルギアソリッド4」の映像では、最後に衝撃の展開が用意されていた。長年、戦場で生きてきて老兵となった主人公が、銃を口にくわえ、自殺を図ろうとするのだ。戦争が変わり、老兵は去る。

いま、ゲーム産業は全世界的に変革期を迎えている。

志田 英邦(しだ・ひでくに)

ゲームジャーナリスト。青山学院大学卒業。数多くの雑誌で執筆している。ゲーム制作者へのインタビュー集『ゲーム・マエストロ』(毎日コミュニケーションズ)、『Xbox Live 』(NTT出版)、『スネーク VS ドラゴン北村龍平 × 小島秀夫対談集』(太田出版)を執筆。ゲームの制作にも参加する。E3は2000年から6回目の参加。

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