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これらの設計変更の過程で、米国は表向き「参加各国の意向を尊重する」という姿勢だったものの、実際問題としてはアメリカの決定を参加各国に事後に認めさせるという方法を採った。例えば1993年のロシアの参加は、形式的には1993年12月の政府間協議によって参加各国がロシア招請に賛成し、ロシアが招請を受諾したことから決まったということになっている。しかし、実際には米国とロシアが二国間協議を行って、事実上のロシア参加が決定した後に、参加各国に伝えられたのである。

米国がそれだけの力をISS計画管理で発揮できたのは、輸送システムであるスペースシャトルを握っていたからだった。参加各国のモジュールは、すべてスペースシャトルで地球周回軌道に運び、組み付けねばならない。一応は「協議」ということになっていても、そもそも米国の意志に従わなければ、ISS計画に参加し続けることはできないのである。

その米国が、シャトル「コロンビア」空中分解事故以降の政府間協議で、欧州や日本の意向を尊重し、計画変更に参加各国の要求を組み入れる姿勢を示している。傲岸なまでに自らの意志を通してきた米国が、そうではなくなった意味はただ一つだ。

米国はISSを自らの手で推進する意志を喪失しつつあるのだ。

最低限9回の飛行で「ISSは完成」と主張可能

そのように考えて、3月に決定した打ち上げスケジュールを見ると、そこには米国の意向がはっきりと刻印されているのが読み取れる(国際宇宙ステーション計画に関する宇宙機関長会議の結果について 平成18年3月8日、http://www.jaxa.jp/press/2006/03/20060308_sac_hoa.pdf(101KB))。

今年7月に予定されているスペースシャトルの運航再開ミッション「STS-121」から、6回のフライトで「ノード2」というモジュールまでをISSに組み付ける。「ノード2」は、欧州の「コロンバス」モジュールと日本の「きぼう」モジュールを取り付ける部位で、「ノード2」なしには、日欧のモジュールをISSに組み付けることはできない。

そして、その次の7回目のフライトでは欧州の「コロンバス」モジュールを、8回目のフライトで日本の「きぼう」モジュールの一部とカナダのロボットアームを、9回目のフライトで「きぼう」の中核であるモジュールを打ち上げる。

next: ISSは参加各国がIGAを結んだ政府間プロジェクト…

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