日銀の量的緩和政策解除〜不動産投資の行方は?
(千葉 利宏=フリー経済ジャーナリスト)
日本銀行が量的緩和政策(関連記事)を解除して1カ月たった。ゼロ金利の解除も徐々に視野に入ってくるなかで、不動産投資に変調の兆しはないのか…。低利資金を利用して急拡大してきた私募ファンド(関連記事)の動向と、地価上昇傾向が強まる大都市圏における収益性の高い優良物件の開発・供給の動向が焦点となっている。
東証REIT指数は上昇を続ける
日銀の量的緩和政策の解除には、昨年の暮れごろから、注目が集まっていた。だが、マスコミが大きく騒いだのとは対照的に、市場は平穏そのもの。むしろ影響がないことを確認したあと、日経平均株価は年度末に向けて上昇し、1万7000円台に乗せて3月期末を終えた。
J-REIT(日本版不動産投資信託)(関連記事)の値動きを示す東証REIT指数(関連記事)も、2005年暮れに1600台に乗った。2006年2月には、瞬間的に1700台をつけるなど上昇が続いている。3月に入って「トップリート」(1日)、「クリード・オフィス」(15日)、「ビ・ライフ」(22日)の三つの銘柄が新規上場。うちクリードとビ・ライフが公募価格割れとなったが、東証REIT指数が大きく下落することにはならなかった。東証REIT指数の上昇は、24日に「工事地価(2006年1月1日時点)が3大都市圏の商業地で15年ぶりにそろって上昇した」とのニュースが報じられたあと、むしろ勢いを増した印象すらある。
J-REIT市場では選別が進む
「量的緩和政策の解除は不動産投資に影響を及ぼさないのか?」…そんな素朴な質問を大手不動産幹部に投げかけると、こんな答えが返ってきた。
「低利資金でレバレッジ(関連記事)をかけて投資マネーを呼び込んでいる私募ファンドなどは、金利が上昇局面に入ればキャップレート(収益還元利回り)(関連記事)を下げざるを得なくなるので、確かに困るだろう。しかし、力がないファンドが淘汰(とうた)される方がむしろ健全ではないか」。
現在、私募ファンドの実態は把握できていない。ファンドを運用する金融機関や不動産会社が、どこも情報を開示したがらないからだ。一説には4.5兆円程度とも言われているが、確証はない。
next: 金利が上がると、キャップレートが下がる…
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