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用語解説:日銀の量的緩和解除と不動産市場

2006年4月13日

(千葉 利宏=フリー経済ジャーナリスト)

「日銀の量的緩和政策解除〜不動産投資の行方は?」はこちら

■量的緩和政策
 2001年3月に日本銀行は、金融市場調節の目標を、従来の「金利(無担保コールレート・オーバーナイト物)」から「資金量(日本銀行当座預金残高)」に変更。その資金量を大幅に増やす政策を打ち出した。これが一般に「量的緩和」と呼ばれている。

金融機関は日銀の当座預金に一定額の預金(法定準備金)を置く必要がある。しかし、それを上回る資金は自由に引き出して融資などに運用できるため、市場への資金供給が増えて経済の活性化につながる。

■J-REIT(日本版不動産投資信託)
 投資家から集めた資金を主として不動産で運用し、その運用益を投資家に分配する集団投資の仕組み。米国で誕生してオーストラリアなどに広まった。日本では、2000年に法律が改正されて導入された。米国のREIT(不動産投資信託)などと区別するためにJ-REITと呼ばれている。資金を運用する投資法人が、2001年9月10日(米国同時テロ事件の前日)に東京証券取引所に初めて上場した。

■私募ファンド
 複数の投資家から募集した資金を不動産に投資する不動産投資ファンドのうち、特定、または少数の機関投資家などから資金を募ったものを指す。J-REITなどの公募ファンドに比べて、運用や情報開示に対する規制が緩やか。流動性が低いためハイリスクハイリターンの傾向が強くなる。

■東証REIT指数
 東証に上場しているREIT全銘柄(2006年3月末現在30銘柄)を対象とした時価総額加重平均の指数。2003年3月31日の指数を基準の1000とする。東証が算出・公表しているTOPIX(東証株価指数)に準じた方法で算出している。

■キャップレート
 Capitalizaition Rateの略で、「収益還元率」、「還元利回り」などと訳される。賃料収入など、一定期間に得られる営業純収益を、対象不動産の市場価格で割って算出する。例えば、年間の営業純収益が5億円、不動産価格が100億円であれば、キャップレートは年5%となる。

■レバレッジ
 直訳は「梃子(てこ)の力」。投資用資産を取得するときに投資家からの資金(自己資本)と借入金を組み合わせることで、自己資本に対する利回りを向上させる効果を指す。

例えばキャップレート5%(営業純収益5億円)の物件を100億円で取得する場合に、金利1%の借入金50億円を組み合わせる。金利負担は年5000万円で済むため営業純収益は5億円-5000万円=4億5000万円となり、自己資本50億円に対するキャップレートを4億5000万円÷50億円×100=9%に引き上げることができる。

もし借入金の金利が上昇して2%になると、金利負担が年1億円に増えるため、自己資本50億円に対するキャップレートは8%となり、レバレッジ効果が低下する。

■公示地価
 公示地価法に基づいて国土交通省が公表している、毎年1月1日時点で全国の土地の価格のこと。国土交通省の土地鑑定委員会が全国に標準地を設定して1平方メートル当たりの価格を公表する。

土地の価格を示す指標には、このほかに、「都道府県基準地標準価格」や「路線価」がある。「都道府県基準地標準価格(通称・基準地価)」は、公示地価とほぼ同じ方法で算出して都道府県が公表する、毎年7月1日時点の土地の価格。「路線価」は、相続税などの算定基準として国税局が公表する、毎年1月1日時点の土地の価格である。

千葉 利宏

東京理科大学理工学部建築学科卒。1984年、日本工業新聞社に入社。IT産業、金融、自動車産業、建設省なの担当記者を経て、2000年に退社。2001年1月、エフプランニングを設立して独立。フリーの経済ジャーナリストとして活動中。北海道出身。日本不動産ジャーナリスト会議幹事。

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