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クアドラプルプレーを目指す米AT&T(5)〜新生NTTのとるべき道

2006年3月27日

(新保 豊=日本総合研究所 研究事業本部 主席研究員、通信メディア・ハイテク戦略クラスター長)

コンバージェンス時代の「新生NTT」はもっと大きな果実をねらうべきだ

さて、再び連結の経済性のことを、NTTグループにおいて考えてみよう。今般のAT&TによるBellSouth買収の動きが、「NTTグループの今後のあり方にも影響を与える」という見方がある。ただ、これはNTTだけの問題ではない。わが国の通信産業全体の話となる。そこまで突っ込んで考えてみよう。

NTTグループにおける子会社間のサービス重複(例:プロバイダーサービス、無線LANサービスなど)の整理や、分離されている事業(固定通信と携帯通信)の統合化・FMCの動きは、この連結の経済性を追求していることの表れであると言えよう。連結の経済性が発揮できなければ、範囲の経済性を享受できない。コンバージェンスの時代に生き残れない。

こうしたコンバージェンスへの取り組みは、経営戦略の観点から見れば、至極当然である。コンバージェンスに取り組むことによって、自社の周りに独占状況を創り出すことができる。

コンバージェンス時代の「新生NTT」は、例えばアクセスラインを分離して、その代わり、放送進出を含む経営の自由度を手に入れるのが得策なのではないだろうか。中長期的な戦略として、捨て去るべき選択肢ではないと思われる。経営の自由度を確保しつつ、さまざまなオプションを手にできる事業形態を模索する。そのシミュレーションのなかで、持続的に最大の利得が得られる方向を見出すことが賢い企業と言える。

情報通信産業全体の利得の最大化とグローバル競争への備え

時代はデジタル・インターネット時代へ突き進んでいる。そしてわが国にとって、アクセスラインをNTTから分離した上で、その上部に乗るサービスの競争を推進することが、得られる当面の利得を極大化する策であると考える。独占的な位置づけにあるNTTのアクセスライン部門は、全国を地域分割してヤードスティック方式()などによる競争の枠組みを導入する。

:コスト単価やコスト削減努力の程度を示すさまざまな指標を、対象とする事業者間において比べ、その評価に応じて料金査定に格差をつける方式。

next: 縮小均衡を避けるために…

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