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検証:GMクライシス(3)〜スモールカーの販売伸びず

2006年2月7日

(吉田 信美=自動車経営開発研究所 所長)

(前回記事はこちら

GM危機の第3の原因は、スモールカーの出遅れである。米国は、道路幅も広いし、高速道路も普及している。だから、「スモールカーは必要なし」というのが一般通念だったし、自動車企業経営者の思いでもあった。

市場が変わる

ところが市場は変わった。1)原油供給への不安、2)Y世代の感覚、3)大都市内に急増した駐車難、などの事態である。

1)は、中東不安に端を発する。原油スポット価格は、昨年ついに38.76ドル(バレルあたり)をつけ、これまでの最高値35.69ドル(第2次石油危機直後の1980年)を更新してしまった。さすがにブッシュ大統領は、かねて主張してきた「脱石油依存症」を一般教書で指摘した。その対策は、車で言えば、燃費のいいスモールカー、ハイブリッドカー、さらに燃料電池車である。

2)のY世代とは、1975年以降に生まれた若者の総称である。少年少女期にバブル経済崩壊に遭遇、高度成長期を味わっていない世代でもある。“ガソリンがぶ飲み大型車”を知らないeco generationとも呼ばれている。

3)については、ここであらためて説明するまでもない。

これらの変化が、昨年あたりから急速に起きている。それに伴って、スモールカー、一般にBセグメントと呼ばれる車種が台頭し始めた。排気量は1500㏄を中心とし、価格は1万5000ドル前後である。米フォード・モーターのチーフ・デザイナーを務めるJ.メイ氏は、デトロイト・モーターショーで、こう明言した。「small is big.」(小さい車は大物だ)と。

日本勢は今春、スモールカーを一斉発売

この兆候を受けて、日本勢は春ごろから一斉にスモールカーを発売する。表1の通りである。

調査会社CSMは、このBセグメントの3年後の販売台数を予測した。2005年の実績はわずかに17万9000台だった。2008年には、それが40万台と2.2倍に急増する見通しだ。

next:「アベオ」を発売するも販売は失速…

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