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検証:GMクライシス(2)〜第2の原因は、売れる技術の開発後れ

2006年2月1日

(吉田 信美=自動車経営開発研究所 所長)

(前回記事はこちら

GM危機の原因の第2は、売れる技術開発、商品の後れである。具体的には、ハイブリッド車とディーゼル乗用車で後れを取った。

2000年3月、ジュネーブ・モーターショーでのことである。GMは、「ザフィーラFC204ワゴン」という燃料電池車(FCV)を参考出品した。究極の完全無公害車だった。

その後、トヨタが、ハイブリッド(ガソリンエンジン+電気モーターを併用する)車の初代プリウスを発売した。対するGMは、「ハイブリッドという混合システムはとらない。あくまでFCVでいく」と明言した。これはどうやら、GMの欧州子会社・オペルの強い意向だったようだ。以降、GMの技術陣内部では、FCVに徹するか、ハイブリッド車も併行開発するかで、激論があったと推測される。

2003年9月、2代目プリウスが発売された。米国にも輸出されて、爆発的人気を得た。低公害性と低燃費性が評価された結果である。

GMも手をこまぬいていたわけではない。2004年12月には、ダイムラークライスラーとハイブリッド技術を共同開発すると発表した。開発の速度を速め、コストの低減を図るためである。2005年9月には、さらにBMWを加え、新しいハイブリッド駆動システムを3社で共同開発するとした。

2005年のデトロイト・モーターショーでは、「2005年から2006年にかけて」、「ハイブリッド車を市場に投入」、「長期的には量産可能な燃料電池技術を広めていく」と発表した。さらに2006年、同じショーで、年内発売予定のサターン、シボレー・マリブのハイブリッド版を公開した。

それにしても、遅すぎた。このところ、トヨタ、ホンダは独自の技術力と経済力で成功し、米国のハイブリッド車市場を日本車群でほぼ独占した。表に見る通りである。

商品開発担当役員の責任は重い

こうしたGMの技術戦略の失敗は、どこに原因があるのか。

まず基本的に、市場の動きを見誤ったことにある。今の原油高騰を予測することは難しかったにしても、経済性の高さ(価格と燃費の良さ)こそ、若者はもちろん、定年退職後のシニアにとっても最優先すべき条件であることは読めたはずである。

next: ディーゼル乗用車でも出遅れる…

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