マイクロソフトはなぜ「Xbox 360」を家庭に“ダンピング”するのか?
(クリフ・ミラー=マウンテンビューデータ社長)
米国には、「loss leader」という販売促進のワザがある。自動車販売店がよく利用する手だ。まず、1〜2台の車に本来の価格より安い値段を付けて広告を出す。これが「呼び水」の役割を果たす。客が店に入ると、営業担当者は、オプションのたくさん付いた、もっと値段とマージンの高い車種を客に勧める。マイクロソフトはXbox 360を販売するにあたって、これを似た手法を採用。1台当たり、100ドル以上の赤字を出して販売していると言われている(関連情報)。
12月10日、マイクロソフトが日本でXbox 360を発売した。日本でのリリースは「まあまあ、そんなもんかな」といった感じだった。しかし米国では、11月22日の発売以降、飛ぶように売れている。2週間で50万台以上が売れたようだ(関連情報)。
製造に問題がなかったら、この倍は売れていただろう。店頭で完売したためか、オークションサイトの「EBay」では、発売後1週間の間に、1台平均700ドル以上で3万台を上回る数が売れたという(関連情報)。
マイクロソフトCEOのスティーブ・バルマー氏は、「製品不足があったため、バルマー家でも、子供のクリスマスプレゼントにXbox 360が間に合わない」とワザとらしく嘆いた。世界で11番目に金持ちであるバルマー氏も、われわれと同じ立場だというわけだ(関連情報)。
通信大手のシスコやアップルも「家庭」に参入
米シスコシステムズが11月、セットトップボックス・メーカーの米サイエンテフィック-アトランタを買収すると発表した(関連情報)
Xboxとあまり関係なさそうなニュースに見えるかもしれない。だが、これで、ネットワーク大手のシスコが、映画配信などのコンシューマー市場に思いっきり参入することになる。マイクロソフトと同じ市場を目指すわけだ。
ほぼ同じタイミングで、ディジタルビデオレコーダー(DVR)メーカーの米ティーボが米ヤフーとの協業を発表した(関連情報)。ティーボの400万人のサブスクリプション・ユーザーに対して、両社が天気情報、道路情報、写真などのコンテンツを配信する。
さらに、ティーボのユーザーが、録画したビデオデータをiPodやPlayStationにコピーできるようにするサービスも提供する(関連情報)。
米インテルの「ViiV」技術にも対応するので、パソコンのハードディスクにもコピーが可能だ(関連情報)。
ティーボは、グーグルと同様の検索連動型広告も始めるという。(関連情報)。そもそも、テレビの“面倒臭い”広告を避ける技術が売りの会社が広告を検討するというのは、よほどの決意だ。
最近、米アップルコンピュータが、米NBCや米ABCと提携して、iPodユーザーにテレビ番組を提供するサービス開始を発表した。iTunesサイトから、1番組、$1.99でダウンロードできる(関連情報)。
そのアップルの戦略は、小型パソコン「MacMini」を再び家庭のマルチメディア・センターにしようと目論むものと言われている(関連情報)。
next: Xboxが目指すのは…
(全 2 ページ中 1 ページ目を表示)
あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください
この連載のバックナンバー バックナンバー一覧へ 画面先頭に戻る
- コンビニ業界に“神風”吹く (2008/09/17)
- 相次ぐ経営破綻、不動産業界激震 (2008/08/18)
- “午後4時”のテレビ産業〜落日の危機は近づいている (2008/07/15)
- 低炭素革命に備えよ! (2008/06/25)
- 環境への“免罪符”か? 流行の「カーボンオフセット」を問う (2008/06/23)

