このページの本文へ
ここから本文です

ブロードバンドの焦点はファイバから携帯へ

2005年11月14日

(田邊 俊雅=nikkeibp.jp編集長)

11月9日にNTTグループが中期経営戦略を発表した。内容は、既に記事になっているので、そちら(nikkeibp.jpの記事へ)を読んでいただくとして、これをどうとらえるべきかについて書いておきたい。

総務省はNTTに甘い

まず、印象的だったのは、「総務省との間に緊張感が感じられない」ことであった。ADSLを中心としたブロードバンドの普及、携帯電話への3社の新規参入と各社への電波の割り当て、2006年秋に控える番号ポータビリティ(携帯電話の番号を変えずに事業者を変更できる)導入など、NTTにとって逆風となりうることがたくさん存在する。それをおもんぱかったのか、総務省側のスタンスがNTTに対して甘くなっているような気がしてならない。

ADSLでは、NTTの加入者線(電話局からユーザー宅までのメタル回線)を使って他の事業者がADSLサービスを提供できるようにしたことが、新規参入を容易にし、爆発的な普及につながった。ソフトバンクやイー・アクセスは新規参入組の代表的な存在である。

確かに自社設備の一部を他の事業者に使わせることは、NTTにとっては厳しいことだったと思う。しかし、こういった状況をつくったからこそ、接続や施設利用の際のインタフェースをはっきりさせることができたし、同じ手順で複数の事業者が参入できるようになった。結果として、サービスの普及が急速に進んだし、料金も低下した。

新規参入が進んだと言っても、全国のADSLのシェアを見ると、NTT東西を合計した数字が4割弱でトップなのである。もちろん、そんな状況の中で競争に負けて市場から消えた事業者も存在した。

ADSLが立ち上がり始めたころ、「まだまだ競争が十分ではないのではないか?」という趣旨の記事を書いたことがある。このとき、読者からのコメントに「NTT関連のビジネスで食っている人が10人に1人くらいはいる。NTTがダメになるようなことがあっては日本は困るのだ」というご指摘があった。

「このような状況がまだ続いており、総務省の姿勢が『しばらく、NTTには我慢してもらったんで、少しは大目に見ないと』という揺り戻しのフェーズに入っている」という見方はうがち過ぎだろうか。

next: 総務省の施策は…

(全 4 ページ中 1 ページ目を表示)

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

記事検索 オプション

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る