ASPサービスが再燃、マイクロソフト「Live」の勝算は?
(クリフ・ミラー=マウンテンビューデータ社長)
われわれは、「銀行のサービスは毎日の生活の中で不可欠なもの」と思って暮らしている。しかし、これは「自分が寝ている枕の下に金を置くよりも、銀行に預けた方が安全だ」という意識が、長年かかって培われたためだ。これと同じことが今、アプリケーション・サービス・プロバイダーのビジネス(ASPサービス)に起ころうとしている。
ASPサービスは、ソフトを販売するのではなく、自社で運用するソフトの利用権をユーザーに販売するもの。1990年代の後半に大きく注目されたが、当時はビジネスとして成り立たなかった。しかし今、「software-as-a-service」として再び存在が見直されつつある。
マイクロソフトが「Live」を発表
マイクロソフトが11月1日、「Windows Live」と「Office Live」を発表した。この場で同社は、software-as-a-serviceのビジネスに本腰を入れることを明らかにした。
Windows Liveは、Webメール、メッセージング、ウイルスチェック、バックアップ・リストアなどのサービスを、個人ユーザー向けに無料で提供するもの(関連情報)。これらのサービスのほとんどは、マイクロソフトの既存サービスに多少の手を入れたものに過ぎない。例えば、Windows Live Mail は、Hotmailを少し便利にしただけのものだ。ただし、各種サービスを総合的に提供し、便利にしているところにメリットがある。米ヤフーや米グーグル社も似たようなサービスを提供しているが、Windows Liveほど中身は充実していない。
いっぽうOffice Liveは、2006年初めにスタートする予定だ。ターゲットは、従業員10人までの小企業である。Webサイト、メール、経費報告、プロジェクト管理、カスタマーサービスなど、小規模の会社が日常業務に使えるサービスを無料で提供する。機能アップをしたい場合には別途料金がかかる。
マイクロソフトは、Office LiveやWindows Liveを、広告収入をベースに運営する考えだ。
実はマイクロソフトは、2001年に「MyServices」を発表している。これは今回の「Live」と非常によく似たビジョンだった。ところが当時は、マイクロソフトの姿勢も甘かったし、市場も成熟していなかったため普及しなかった。
現在は、ブロードバンドの普及率が高くなっているし、Salesforce.comのようなsoftware-as-a-serviceを営む会社が、このモデルの有効性を実証している。世間は、software-as-a-serviceモデルの便利さを次第に認めてきており、「ソフトウエアはこうであるべきだ」と思う人まで現れ始めている。
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