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KDDIがパワードコムを合併、課題は電力各社との協力関係構築

2005年10月21日

(大川 淳=フリーライター)

KDDIが10月13日、東京電力と提携し、東京電力の子会社であるパワードコムを合併すると発表した。パワードコムの株式1株に対して、KDDIの株式0.032株を割り当てる。KDDIの狙いは、パワードコムが保有する光ファイバーネットワークをインフラに加え、両社が提供する通信サービスを組み合わせた「商品力・価格競争力のある統合サービス」を提供することにある。

自前の光ファイバーに意気込むKDDI

KDDIは、FMC(Fixed Mobile Convergence 固定通信と携帯電話を融合させたサービス)を目論んでいる。これは同社だけではなく、NTTグループも同様の考えだ。だが、KDDIは、固定通信の核となる光ファイバーをNTTから借り受けて使用しているため、サービス提供に必要なさまざまな手続きに時間がかかる。さらに、NTTに支払う使用料が、競争力のある料金を提示する足かせになっている。

KDDIは、統合サービスを実現させるために、東京電力が今後実施する設備投資の一部資金を負担する意向だ。さらにKDDIは、「FTTH(Fiber To The Home)事業の競争力を高めるために、東京電力のFTTH事業部門を自社内に統合することや、合弁による事業運営についても具体的な検討を開始する」ことで合意しているという。KDDIの意気込みがうかがわれる。

KDDIにとってFTTHは、指をくわえて見ているわけにはいかない市場だ。国内におけるブロードバンドインターネットの利用状況を見ると、2002年末以来、7割を占めてきたDSLは68.5%に縮小(総務省調べ、2005年6月末時点)。いっぽうFTTHの利用者は前年同期比94%増で伸び、シェアを16.6%に高めている。

FTTH市場におけるシェアは、「戸建て+ビジネス向け」で、NTT東西が74.6%、電力系事業者で22.3%。「集合住宅向け」では、NTT東西が35.0%、USENが20.3%、電力系事業者は8.6%となっている。電力系事業者のシェアは、「集合住宅向け」でこそ横ばいだが、「戸建て+ビジネス向け」では、5四半期前の15.5%から大きく伸びている。

パワードコムの評価をめぐって激しい議論

この合併話が最初に伝えられたのは7月末のこと。一部報道機関が記事にしたところ、関係各社は「何も決まっていることはない」とコメントしていた。その後も、水面下で交渉が進んだ。8月半ば、9月初めにも、新聞各紙が「KDDIと東京電力が提携、光回線賃借」といった報道をしている。「9月にも正式発表か」と言われながら10月にまでずれこんだのは、「パワードコムの価値評価をめぐって、KDDIと東京電力がもめたため」(業界関係者)と言われている。

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