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郵便局で住宅ローンが販売される日は?

2005年10月13日

(千葉 利宏=フリー経済ジャーナリスト)

郵政民営化に続いて、「銀行代理店」業務が2006年4月にも本格的に解禁される見通しとなった。開催中の特別国会に、政府は銀行法の一部改正法案を提出。これまで銀行の100%子会社などに限定されていた規制が緩和される。

9月30日の日経新聞に「野村参入、イオンも検討」と報じられるなど、動きも活発化している。果たして銀行代理店の解禁で何が変わるのか? 注目は全国約2万4700の「郵便局」の対応と「住宅ローン」の取り扱いだ。

郵便局が銀行代理店になる

自民党圧勝で終わった9・11総選挙後の特別国会には、廃案となったばかりの郵政民営化法案が再提出され、14日にも成立する。通常なら法案審議を行わない特別国会に、郵政関連を含めて20本以上の法案が提出されている。なかでも注目されているのが銀行代理店制度を大幅に見直す銀行法の一部改正法案である。

「銀行側がいくら求めても、なかなか認められなかった銀行代理店が解禁される意義は大きい」(金融関係者)。銀行法は、これまでも銀行代理店業を認めてはいた。しかし、それは銀行の100%子会社に限定され、複数の銀行の代理店となる兼業も禁止されていた。銀行が自ら支店や出張所を出店するのと大きな差はなく、欧米では一般的になっている銀行代理店制度が日本でほとんど発達しない原因になっていた。

なぜ、銀行代理店が解禁されることになったのか。

今回の銀行法の改正は、郵政民営化によって新たに誕生する郵便貯金銀行が、同系列であっても100%子会社ではない郵便局株式会社に対して銀行代理業務を委託することを、銀行法上、可能にするための措置との見方ができる。郵便局株式会社だけを特別扱いするわけにはいかない。そこで、郵便局以外の一般企業にも、幅広く銀行代理店業務を解禁することになったというわけだ。

銀行も郵便局のネットワークを活用?

問題は、銀行代理店となった郵便局が、どのような金融商品を扱うかである。

当面は、郵便貯金銀行が提供する預金商品などが中心になると考えられる。だが、野村アセットマネジメントの投資信託商品の販売を、全国約600局で今月からスタートするなど、取扱商品の拡大が始まっている。銀行代理店として収益を上げていこうとすれば、郵便貯金銀行や郵便保険会社が扱っているかどうかに関係なく、より売れる金融商品を取り扱おうとするのが自然の流れである。

郵便局は、局舎の一部を開放してコンビニなどの店舗を併設する試みを既に始めている。郵便局株式会社法案には、業務として(1)郵便事業株式会社の委託を受けて行う郵便窓口業務、(2)銀行業および生命保険業の代理業務、(3)郵便局を利用して行う地域住民の利便の増進に資する業務、の三つが明記されている。民営化後も郵便局ネットワークの維持を図ろうとすれば、収益拡大に向けて店舗活用を進めるのは間違いないだろう。

銀行代理店の解禁で、大手銀行が、販売チャネルの多様化に向けて、参入に意欲的なイオンなどの有力企業との提携を活発化させることが予想される。しかし、これまで銀行業務をほとんど行っていなかった企業の人材を一から育成していくよりも、すでに人材とノウハウを抱えている郵便局を活用した方が効率的との考えるだろう。

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