楽天・三木谷氏の胸のうち(2)〜ネットとテレビのシナジーに経営統合は必要ない
「楽天・三木谷氏の胸のうち(1)~巨額の時価総額が生み出した焦りが引き金」から続く
(織田 篤=ジャーナリスト)
TBSで放送されるCM放送と楽天のネット販売を連動させる…。楽天のサイトからTBSが制作した映像ソフトをネット配信する…。
ちょっと考えれば、ネットと放送の相乗効果を思い浮かべるのは容易だろう。実際、ブロードバンドが普及し、多くの消費者がネットで映像ソフトを見ることに抵抗がなくなってきている。地上波放送局も従来の慎重な姿勢を改め、ネットによる映像ソフトの配信などに積極的に取り組むようになってきた。
しかし、これらの新しいビジネスモデルを実現するのに、地上波放送局とネット企業の経営統合は、実はまったく不要である。渦中のTBSの場合、携帯電話向けコンテンツ配信大手のインデックスやカルチュア・コンビニエンス・クラブ、三井物産などと相次いで業務提携を進め、ネットビジネスへの布石を打っている。
実質は楽天による敵対的買収
これらの企業とは提携が進み、今年2月から始まった楽天との事業提携の交渉が進展しなかったのは、「まずTBSを呑み込んで成長期待を煽り、株価を上げたい」という楽天側の本音が、TBSに見透かされていたからにほかならないだろう。
経営統合という「事実」を必要とするのは、「急成長を続けなければ倒れてしまう」新興のネット企業側の論理でしかない。つまり、楽天側がどう取り繕おうと、今回の攻勢の本質は、楽天によるTBSの実質的な敵対的買収にほかならない。そうである以上、経営統合が成ったとしても、TBSの現場がすんなりと楽天側の言葉に耳を傾ける保証はない。これは、経営統合が直ちに楽天の業績向上に直結する可能性が低いことを意味する。
楽天、TBSともに乏しい次の一手
楽天とTBSの交渉が今後、どう進展するかは予断を許さない。新興のネット企業が地上波テレビ局に食指を伸ばすのは、1996年のソフトバンク、今年のライブドアに続いて3社目。先行したソフトバンクとライブドアはともに、金銭的な対価は得たとはいえ、放送局側の抵抗に遭い、事実上の撤退を余儀なくされている。
next: 今回も、ボールを受けた格好のTBS側が…
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