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気になる「アレスI」の振動問題〜徐々に発生しつつある開発スケジュール遅延

前回、スペースシャトル引退を巡る問題をまとめた。シャトルを2010年に引退させれば、新有人宇宙船「オリオン」が就航する2015年まで、国際宇宙ステーション(ISS)への有人輸送手段をロシアの「ソユーズ」有人宇宙船に依存せざるを得なくなる。

最近になって、米航空宇宙局(NASA)が中国にアクセスしていると報道されているが、その目的には、あわよくば中国の「神舟」宇宙船をISSの往復に使えないかということも入っているのだろう。

一方、シャトルの引退を延期させれば、今度はシャトル運航経費に押されて、新宇宙船オリオンの開発にかける費用が不足し、オリオンの就航が遅れることになる。アメリカにとって、どちらの道を選択してもかなり厳しいことになる。

アメリカ国内では、これらの事態に、さらに拍車を掛けそうな問題が静かに進行している。新宇宙船「オリオン」を打ち上げるための専用ロケット「アレスI」の開発がいまひとつ不調なのだ。

カプセル型の新有人宇宙船「オリオン」と専用ロケット「アレスI」

オリオンは、2004年1月にブッシュ大統領が発表した新宇宙政策の中で、シャトル後継の有人宇宙船として開発開始が決定された。当初はCEV(Crew Exploration Vehicle)という名称だった。“Exploration(探検)”という名称通り、ISSへの往復だけではなく、有人月探査やそれ以遠の有人探査に使用する宇宙船ということになっている。

オリオンは、翼を持ち滑空して飛行場に帰還するスペースシャトルとは異なり、アポロ宇宙船と同様のカプセル型宇宙船だ。使い捨てのロケットで打ち上げ、パラシュートで帰還する。その設計はほぼアポロ計画で使用されたアポロ宇宙船の再来と考えても間違いではない。本体は宇宙飛行士が搭乗するカプセルと軌道上で必要な電力や姿勢制御機能を提供し、軌道変更用のエンジンを装備するサービス・モジュール(SM)から構成される。アポロ宇宙船では燃料電池で供給していた電力が、オリオンでは太陽電池パドルから供給される。

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