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浮上するGXロケットの安全保障用途転用〜ロケットありきではない、長期政策からの敷延が必要

GXロケットを安全保障関連の衛星打ち上げ専用として開発することには、それなりの利点が存在する。その利点を十分に生かすには。前提条件として日本という国の宇宙空間を利用した安全保障政策がどうあるべきかという議論と、統一された展望がなくてはならない。「宇宙を防衛面で利用するにあたって、このような安全保障政策を採用する。その安全保障政策にもっとも合致する打ち上げ手段はGXロケットである。だからこそ国による投資を継続してでもGXを使う」という論理の道筋がなくてはならない。

現状のGXロケットの安全保障用途転用論は、「すでにGXというロケットが存在する。それを使えばこのような現在の安全保障政策の延長線上に、宇宙関連の安全保障政策が組み立てられる。だからGXの開発は継続したい」というものだ。

全く逆なのである。

宇宙込みの安全保障政策はゼロから検討しなくてはならない

8月27日、宇宙基本法が施行され、内閣府・宇宙開発戦略本部が発足した。宇宙開発を具体的に政策の中にどう位置付けるかの議論はこれからであり、まだ安全保障政策の中にどう宇宙を位置付けるかは未定である。

今のところ、この分野は、「早期警戒衛星が必要」というようなハコモノの話がメーカー間の公共投資待望論と共に先行しているだけである。

宇宙基本法は、宇宙分野において政治が主導権を握って国の政策を決めていくことを目指している。本気でGXを安全保障用途に使用するならば、まずは政治が、宇宙という場を平和憲法の枠内でどのように安全保障用途で使用していくかという、長期的な政策を決定しなくてはならない。あくまで「政策ありき」で政策に合わせたハードウエアを開発することが必要だ。

「ちょうどただ今、商業打ち上げロケットとして開発中のGXというロケットがあります」「ではそれを転用し、それにぴったりの政策を考えましょう」ではダメなのだ。

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