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そのような打ち上げ基地周辺に、フェンスをはじめとした過剰な警備が行われるようになり、これまで射場設備を「郷土の応援すべき存在」と感じていた地元が、疎外されたと感じだしている。「これまで多少の不便を我慢して、お国のためだと応援してきたというのに、地元を無視するような態度は何だ」というわけだ。

これは大変に危険な兆候だ。1967年に当時の科学技術庁・宇宙開発推進本部が種子島から打ち上げ実験を行おうとしたことがきっかけで、鹿児島県や宮崎県などの漁協が猛反発し、周辺海域で海上デモを行い、打ち上げを妨害したことがあった。その後漁業権補償の交渉がまとまるまで1年半に渡って、日本のロケットは打ち上げ停止を余儀なくされた。

セキュリティ管理をことさらに言いたてて、地元を疎外していると、また同様の事態にならないとも限らない。日本の射場は、“肩身の狭い新参者”として地域社会に割り込み、過去40年以上に渡って地元との共存に努めてきた。そのことを忘れて鹿児島からの打ち上げの継続はあり得ない。

安全保障用途の打ち上げをGXと共に分離してアメリカに持っていけば、このような問題はなくなる。

防衛省が開発予算を出すことで一挙両得に

GXを安全保障用途の打ち上げ手段と位置付けるならば、開発の主体として予算を支出するのは文部科学省や経済産業省ではなく、防衛省となるべきだろう。このことは、日本の民生宇宙開発と安全保障関連の宇宙開発の両面に利点をもたらす。

まず文部科学省とJAXAにすれば、GX開発に今後必要とされる予算を支出する必要がなくなる。第2段のLNGエンジンだけは完成までJAXAが関与する必要があるだろうが、その後はIHIと防衛省の間の問題ということになる。

GXは今後完成までに、射場を新設せずにアメリカから打ち上げるとした場合でも、今後4年で900億円近くがかかると見積もられている。種子島に射点設備を整備した場合にはこれが最大1500億円近くまで膨れあがる。年間1800億円程度の予算規模のJAXAが、年間220〜400億円を負担するのは、たとえ政策的な特別の予算措置を受けたとしても容易なことではない。

防衛省がGXを引き受けるならば、予算負担を逃れたJAXAはその分資金的リソースを本来の宇宙開発にかけることができる。

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