浮上するGXロケットの安全保障用途転用 意外に多い利点、民生と安全保障を分離
開発が難航し、大幅な予算超過を起こしているGXロケットを一体どうすべきか──GXロケットの去就を審議していた宇宙開発委員会の推進部会GXロケット評価小委員会は、7月30日の第9回会合でいったん中断となった。最初の数回こそ今まで出てこなかったデータが公開されたものの、いざGXを今後どうするかの議論となると会合は膠着状態となってしまった。現在予定している平成24年打ち上げのためには今年度後半にも実機開発を本格化する必要があるが、それまでに結論が出るかどうか微妙な情勢だ。
その中で、GXを安全保障関連衛星の打ち上げ専用とするという話が出てきた。元々自由民主党の一部の議員は「GXは情報収集衛星など安全保障関連衛星を打ち上げるために国策として開発している」と主張している。また、6月30日のGXロケット評価小委員会では、意見を問われた川崎和憲・IHI株式会社航空宇宙事業本部宇宙開発事業推進部長は、「GXロケットは国防・安全保障用途と考えている」と発言し、GXの開発が継続できた場合、宇宙基本法成立で道が開かれた安全保障目的の官需衛星打ち上げをメインターゲットとする考えを明らかにした。
様々な意見を聞いていくと、GXを安全保障用途として存続させることには一定の利点も存在することが見えてくる。
GXが目指した目的はどの程度達成されているのか
GXロケットについては、本欄で過去に書いた記事において、その目的を説明した。
(1)炭化水素系燃料である液化天然ガス(LNG)を使うロケットエンジン技術の国産化(最終目標は、ロケット離床時の液体ロケットブースターと多数回着火可能な上段用エンジン)
(2)ロッキード・マーチン/IHIによるロケット開発で、ボーイング/三菱重工業と政治的バランスを取る
(3)商業打ち上げに使える信頼性の高いロケットの開発
──の3点だ。これらの目的が、「国産中型ロケットを持つことは日本にとって必要」という名目で束ねられたのがGXロケットだった。
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