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新たな投資で生き延びるも、ロシア経済復興でコストに打撃

2006年9月から10月にかけて、文部科学省・宇宙開発委員会の推進部会において、JAXAが担当する第2段のLNG推進系に対するプロジェクト評価が行われた。委員からは辛辣な意見が続出した。特に棚次亘弘室蘭工業大学教授は、LNG推進系プロジェクトに対する提言(宇宙開発委員会資料、pdfファイル)という文書を提出し、GXのLNGエンジンと、現在韓国が開発している同程度の推力を発生するLNGエンジン「CHASE-10」と比較した。

その上で棚次教授は、「将来の価値を目指した技術開発と捉えた場合、打上ロケットの初段あるいは軌道間輸送機(OTV)の推進系に活かされる基盤技術(ターボポンプ、再生冷却燃焼器等)の構築に資することが重要である。

韓国のLNG/LOXエンジン(CHASE-10)は、このような方向性の素地を有している。

現状のGXロケットのLNG推進系には、将来に発展すべき基盤技術が乏しい。」と、GXロケットを痛烈に批判した。

GXのLNGエンジンは、前々回の記事「GXロケット、計画見直しへ(1)」で述べたように将来への展開の布石となるべきものだった。それが「将来に発展すべき基盤技術が乏しい」ならば、やるだけ無駄ということである。

それでも、文科省は計画継続の方向で意見を集約した。新たに250億円を投資すると共に、エンジンについては、ノズル周りに推進剤の配管を鳥回し、推進剤でノズルを冷却する再生冷却方式を新たに検討するということにした。この方式にすると、エンジンの再着火が容易になる。

初号機打ち上げは2011年度にまで延期された。当初予定からすれば6年遅れだ。6年といえば、新規のロケット開発を立ち上げて、初号機を打ち上げることができるほどの時間である。このことは間接的に、この回の冒頭に述べた「何も完成させることができなかった」ということを証しているといえるだろう。

この時の見直しは事実上の責任問題に発展した。JAXAではプロジェクト・マネージャーが事実上の更迭扱いで交代、同時に優秀と目される推進系技術者が次々に計画に投入された。

しかし、筋の悪い計画に優秀な人材を、しかも逐次投入することは、組織運営の面からすれば、最悪の人事政策である。

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