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GXロケット、計画見直しへ(3)〜開発段階で相次ぐトラブル 計画は延期に次ぐ延期、性能は低下、コストは高騰

(前回記事はこちら

2003年度からGXロケットの開発が始まった。ロケット全体の開発は石川島播磨重工業(IHI)の子会社であるギャラクシーエクスプレスが担当。宇宙開発事業団(NASDA:2003年10月の宇宙三機関統合により宇宙航空研究機構=JAXAとなった)は、「LNG推進系飛行実証プロジェクト」という名称で第2段の開発を行うことになった。JAXAとの契約で第2段とLNGエンジンを製造するのはIHIなので、実際問題としてGXロケットは、官の補助によってIHIが商用ロケットを開発するプロジェクトである。

しかし、第2段は開発当初からトラブルが相次いだ。複合材料製の推進剤タンクの強度、重量、LNGエンジンの燃焼特性──新規開発要素のほぼすべてで問題が発生した。その都度設計は変更され、当初の予定とはかけ離れたものになり、同時に時間と開発費を食いつぶしていった。

すべてがどうしようもなくなった2006年、開発体制の立て直しが図られた。文部科学省・宇宙開発委員会は、2006年9月から10月にかけて、「推進部会 LNG推進系飛行実証プロジェクト評価小委員会」を開催して、のGXロケットについて集中審議を行った。小委員会は、GXの2011年初飛行に向けて、さらなる予算を約250億円投ずる方向で意見を集約した。第2段用のLNGエンジンは、設計を一新することとなり、同時に全く新設計のエンジンも同時並行で検討することとなった。

JAXAも、この決定に合わせて開発に投ずる人員を一新すると同時に、在籍するロケット技術者の中でも優秀なメンバーを投入した。

だが、この対策は失敗をとりあえず取り繕ったという策であり、なによりもこれまでの失敗から目をそらしている。

直視しなくてはいけないのは、2002年の開発開始から2007年までに投入された450億円を超える開発費で、何一つとして完成させることができなかったという事実である。新しいLNGエンジンも、複合材料製のタンクも完成しなかった──事実を直視することからしか、正しい解決策を立ち上げることはできない。

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