GXロケット、計画見直しへ(2)〜技術の問題に政治と組織の問題を持ち込む予算を取るためにシステム設計が先鋭化
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GXロケット最初のボタンの掛け違いは、1990年代初頭の段階で、きちんと基礎研究に予算を付けなかったことだった。もしもこの時期に年間数億円程度をLNGエンジンに関する基礎研究に資金を投じていれば、GXは現在のにっちもさっちもいかない状況には至らなかったろう。
しかしこれが最後のボタンの掛け違いではなかった。1990年代後半、宇宙開発事業団(NASDA:現宇宙航空研究開発機構)科学技術庁(現文部科学省)との予算獲得折衝の中で、計画はどんどんボタンを掛け違えていった。
GXロケットの第1段には、政治的な理由から米ロッキード・マーチン社の第1段を使用することにした。このことはロケットの設計にさらなる非効率を呼び込んだ。
LNGを燃料とする新しいロケットエンジンの技術開発は、官民共同の出資による実用ロケットの開発となった。その一方で新規開発の第2段は「簡素化」を口実に、より一層の先鋭な技術開発を思考する設計へと変化していった。
さらには出資を行う官として、通商産業省(現経済産業省)が名乗りを上げるに及んで、文科省対経産省の角突き合いが勃発した。事業スキームをまとめるにあたって両省は衝突を繰り返し、計画は1年間全く動けなくなった。
結果として出来上がったのが、石川島播磨重工業(IHI)を中心とした民間、文科省、経産省がそれぞれ150億円を出資して、ロケットを開発するという、あまりに“船頭の数”が多い開発体制だった。
体制決定のために時間が浪費されていた間、成功のために必須であったはずの基礎研究がなされていたはずもなく、開発開始時点で、GXロケットは山を登ることが約束された船と化していた。
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