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GXロケット、計画見直しへ(1)~十分な基礎研究を行わず、いきなり本番のロケットエンジン開発へ

文部科学省が、GXロケット開発の見直しに向けて動き出した。1月9日の宇宙開発委員会で、今後試験機打ち上げ費用の官による負担も含めた見直しを行いたいという報告が宇宙航空研究開発機構(JAXA)から出された。

同ロケットの開発はもう何年も関係者の間で、「中止するしかない」「たとえ完成しても意味がない」と言われ続けて来た。私は、「何機打ち上げれば石川島播磨重工業(IHI)は諦めるだろうか。試験機2機ぐらいか」という発言も聞いたことがある。

今回の見直しについても、官が試験機打ち上げを負担し、それでロケットを成功したことにして終わらせるための布石と勘ぐれないこともない。

結論を先に述べるならば、GX開発の見直しは、1990年代初頭から始まる度重なるボタンの掛け違いの帰結である。GXの計画立案から開発に至るまでには、ありとあらゆる「正しいものつくりのためにはやってはいけないこと」が詰まっていると言っても過言ではない。

遅ればせながら見直しの機運が出てきた以上、根本的な対策は失敗を直視した上で、失敗した原因をすべてオープンにして未来への教訓にすること。そして、計画を研究段階に戻すことであろう。いったん開発を凍結し、液化天然ガス(LNG)エンジンの基礎に戻って研究を積み重ねて、より保守的な設計の小さなエンジンから順に開発していくことだ。

GXは、2002年から開発を開始した中型2段式ロケットである。第1段に米ロッキード・マーチン社の「アトラス3」ロケットの第1段を使用し、メタンを主成分としたLNGを燃料に使用する新規開発エンジン搭載の第2段を組み合わせる。LNGエンジンは推力96.7kN(9.9tf)で、日本が最初に開発した液体水素・液体酸素エンジンの「LE-5」(1986年に初号機を打ち上げたH-Iロケット第2段に使用)とほぼ同規模である。

当初予定でGXロケットは、地球低軌道に約4t、地球を南北に回る極軌道に約2tのペイロードを打ち上げる能力を持つことになっていた。これは、現在日本の主力ロケットであるH-IIAの半分弱のサイズである。

GXロケットの外観(Photo by GALAXY EXPRESS)

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