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月探査機打ち上げ、日中の格差はプログラム的探査の有無

中国・国家航天局(CNSA)は10月24日、同国初の月探査機「嫦娥1号」の打ち上げに成功した。探査機を搭載した「長征3A」ロケットは、午後6時5分に西昌衛星打上げセンターから打ち上げられ、探査機を地球を周回する軌道に投入することに成功した。

日本は9月14日に月探査機「かぐや」を打ち上げた。「かぐや」は現在、月を周回する軌道にあり、観測機器の立ち上げを行っている。

前後の事情を知らずに現象だけを見ると、日中の月レースに日本が僅差で勝ったような印象を受けるが、実態は全く異なる。

嫦娥1号の打ち上げ(Phoro: CNSA)

中国の月探査は、最終的には2020年代に独自の有人月探査実施することをも視野に入れた長期計画の一環である。今後2012年頃に無人着陸機、2017年頃に月の土壌を持ち帰るサンプルリターンを実施することが決まっている。

一方、日本の「かぐや」は単発ミッションであり、この先何をするのか、日本が月で何をしたいのか、今まさに文部科学省・宇宙開発委員会で審議中である。

中国が実践しているのは、長期の見通しに基づいて探査計画を連続的に立ち上げる、「プログラム的探査」だ。日本でも小惑星イトカワを探査した探査機「はやぶさ」の成功以降、プログラム的探査の重要性が指摘され、長期の探査計画を立ち上げようとする努力が関係者の間で続けられているが、今のところ実現には至っていない。

プログラム的探査は、計画的に探査に必要な人材を育成することも可能にする。今後、中国がプログラム的探査を実施することで、日本以上に層の厚い宇宙科学関連の人材を擁することになる可能性は大きい。嫦娥1号の打ち上げは、その第一歩だと考えるべきである。

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