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国際協力による有人月探査は様子見〜JAXA宇宙探査シンポジウム(1)

2007年3月13日

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2007年3月6日〜7日、京都で世界14カ国の宇宙機関関係者を集め、「宇宙探査シンポジウム」を開催。アメリカが進めようとしている有人月探査と、それ以外の太陽系探査をテーマに、各国関係者の講演とパネルディスカッションを行った。

有人月探査では、自国主導で進めようするアメリカと、様子見したいその他の国々との温度差が明確になった。正直なところ、次のアメリカ大統領選挙の結果が出るまでは、各国とも様子見の姿勢を崩さないだろう。

アメリカは参加を呼びかけたが

同シンポは、関係機関間の宇宙探査に関する連絡会合「国際宇宙探査戦略にかかる京都ワークショップ」と合わせて開催されたものだ。将来の宇宙探査に向けた世界中の宇宙機関の姿勢を一般に示すことを目的としたものである。米航空宇宙局(NASA)のグリフィン長官や、欧州宇宙機関(ESA)のドーダン長官といった大物も出席した。

グリフィン長官は、2004年にブッシュ大統領が公表した有人月探査計画を説明し、「この計画は、より遠くに向かうための最初のステップである」として、国際協力による各国の参加を呼びかけた。

しかし、アメリカ以外の各機関の講演では、慎重な意見が目立った。ドーダンESA長官は、「我々は友人だから協力するだけではなく、協力することに利益があるから協力する。個別の利益と共通の利益のバランスを取ることが必要。そのための柔軟な枠組みが必要だ」と発言し、アメリカを牽制する姿勢をしめした。

よりはっきりとアメリカと別の道を行く姿勢を示したのはフランスだ。フランス国立宇宙研究センター(CNES)のファビエ戦略局次長は、パネルディスカッションにおけるプレゼンテーションで「フランスのプライオリティは、まず火星、次に小惑星など、その次に月だ。ただし月の科学的重要性は理解している」と発言し、「まず有人月探査ありき」のアメリカとは一線を画する姿勢を明確にした。

シンポジウムのホスト国である日本は、樋口清司JAXA理事が講演を行い、「日本は国際協力計画が立ち上がるならば初期から積極的に関与し、計画の枠組み決定に寄与する」と発言した。

一見アメリカよりの発言に思えるが、同時に樋口理事は「大事な技術は自分でやる必要がある」「計画の基幹となる機能は、国際的に複数を人類として保有すべき。そのことが、強固な計画を実現する」「システム全体が完成しないと成果が出ないという計画ではなく、短期間で成果が出てフィードバックができる計画にする」などと発言し、アメリカの独断を牽制した。計画への積極関与を表明しつつ、「関与する以上は、参加各国のすべてに利益のある計画にする」という姿勢を示したわけだ。

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