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やっと決まったLUNAR-A中止 徹底した原因・経緯の調査が必要

2007年1月19日

月周回軌道上のLUNAR-A想像図(Photo by JAXA/ISAS)

宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究本部(JAXA/ISAS)が開発していた月探査機「LUNAR-A」の中止がほぼ確定的になった。JAXA/ISASは2007年1月10日に文部科学省・宇宙開発委員会にLUNAR-Aの現状を報告し、15日には同委員会・推進部会で正式に中止の方針を明らかにした。

LUNAR-Aは月面に地震計と熱流量計を搭載した槍状のペネトレーターという観測装置を打ち込み、月内部の構造を探るという計画だ。1991年に1995年の打ち上げを目指して開発が始まった。

しかしペネトレーターの開発が難航し、計画はずるずると遅延していった。探査機本体は1997年には完成していたにも関わらず、ペネトレーターの開発は延期に次ぐ延期を重ねた。

2006年のペネトレーター打ち込み実験によって、あと1回打ち込み試験を実施すれば、ペネトレーターを完成させる目処がやっと立った。しかし、すでに製造後10年を経た探査機本体の劣化が進行していた。

計画中止後は、開発したペネトレーターの技術を、海外の探査機への搭載や、後継の月・惑星探査計画で利用するという。

長い間、LUNAR-Aは、日本の宇宙科学にとってかかとに刺さったトゲのような存在だった。いつか誰かが中止を言い出さなくてはならないが、誰も言い出せない状況が続いていた。過去、日本では、衛星が完成しているにもかかわらず中止になった宇宙計画は存在しない。中止の前例を作ることを、関係者はためらい、株式市場でいう「損切り」をずるずると引き延ばしてきたのである。

今回、正式中止へと踏み出したことで、ISASは積年のトゲを抜き、前に進むことができるようになった。しかしそれだけでは足りない。一体LUNAR-Aは、何を間違え、何が悪くて中止しなくてはならなかったのか――LUNAR-Aが中止に至った原因と経緯を組織的な問題に至るまで踏み込んで調査し、未来への糧にしなくてはならない。

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