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JAXA河内山治朗理事に聞く 次期固体ロケット(2)〜発展性は確保、部品レベルでH-IIAと共通化

2006年8月24日

(前回記事はこちら

十分な発展性は確保した

──低予算で開発できたとしても、次期固体ロケットにはその次につながる発展性はあるのか。

河内山 この設計には将来に向けて、より最適なロケットを目指せる発展の方向を仕組んである。将来に向けた基礎となるロケットを、効率的な開発費で実現しようとしているわけだ。まず第3段を付ければ打ち上げ能力は地球低軌道に1.3tにまで増える。

その先の方向性としては、現在第1段のSRB-Aには65tの推進剤を注入しているが、3段式でこれを85tまで増やせば、現在のM-V並にまで打ち上げ能力を向上させることができる。もちろん、そのためには別途の開発予算が必要ではある。どのように発展させるにしても、固体ロケットの良さを維持することが条件となる。

──M-VとSRB-Aでは固体推進剤の組成が異なるが?

河内山 確かにその通りだ。M-Vは性能を優先して高コストの推進剤を使っているが、SRB-Aでは低コスト化を優先した推進剤組成を採用している。組成による性能の差は、推進剤の量でカバーできると考えている。

──第3段を付加した場合、打ち上げコストはどれぐらいになるのか。

河内山 現在のところ28億円以下を目指している。

──旧宇宙科学研究所は、通常は5回程度行うべき新型固体モーターの燃焼試験を2回しか行わないという綱渡り的方法で、M-Vロケットを極めて安価に開発した。開発費の120億円というのは、この方法を踏襲するのか。それともH-IIAなどと同等の十分な試験を行う方法を考えているのか。

河内山 後者だ。相応の試験を行う方法を考えている。なお、120億円の中には試験打ち上げの1機を含めている。試験機は計測設備などで若干高くなり30億円ぐらいになる。だから実質的な開発費は約90億円だ。しかもこの中には地上設備に関する経費も入っている。現状120億円以下、としているが、これは現在の検討ではこの額になるということ。今後もっと下げなくてはならない。

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