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放送業界:テレビ広告は薄利多売

2006年5月18日

(小屋 知幸=日本総合研究所 主席研究員)

(前回記事はこちら

視聴者のテレビ視聴スタイルが変われば、現在の地上波放送のビジネスモデルは機能しなくなる。放送業界はそれを恐れており、変化を拒んでいるように見える。だが現在のビジネスモデルに固執することは、得策ではない。

意外なことに、地上波放送の収益構造は驚くほど低付加価値だ。地上波放送の市場規模・視聴者数・平均視聴時間などのデータに基づいて計算すると、視聴者1人が1時間テレビを視聴した場合に、テレビ局が得られる収入は20円程度に過ぎない。これに対してGoogleは、わずかワンクリックで数十円から数百円の広告収入を得ている。

現在のテレビ局は、テレビとネットの融合により視聴者がネットに流れ、テレビの視聴率が下がることを懸念している。だが、むしろ積極的にネットに誘導した方が、テレビ局の収益は高まると考えられる。

地上波放送は膨大な数の視聴者を集めることができるが、視聴者1人当りの収入は少ない。それはテレビが扱う広告が、垂れ流し型のマス広告であり、消費者一人ひとりに対するきめ細かなマーケティングができないことに起因する。ネットとの融合は、この弱点を補完するメリットがある。

現状を放置した場合、地上波放送のビジネスモデルは衰退に向かう可能性が高い。テレビ局が「広告配信業」を続けるにしても、ビジネスモデルの革新は必要だ。今後広告の視聴率が減少したとしても、広告に付加価値をつけることができれば、収益を維持・拡大することは可能だ。ネットとの融合は、そのための有力な手段になり得る。

next: 広告を売るのか、コンテンツを売るのか…

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