このページの本文へ
ここから本文です

広がるヘルスツーリズム メインターゲットは中高年世代

2008年8月27日

「ヘルスツーリズム」という言葉が盛んに言われるようになってきた。ヘルスツーリズムは医療観光とも言われ、病気やけがの治療・療養を目的としたものから、美容・ダイエット、ストレス解消などまで、健康増進を目的とした旅行をいう。

旅行社のパンフレットを見ると、全体としては従来型の観光ツアーでも、日程のどこかにストレス解消やセラピーなどのプログラムを組み入れたものが増えている。健康維持・増進を目的とした旅は、普通の観光旅行では物足りなくなっている旅行者への魅力的な提案になったことは間違いないようだ。

年代を問わず関心の高いヘルスツーリズムだが、ここでは、健康維持に関心の高い中高年世代に、どのようなヘルスツーリズムの可能性があるのかを考えてみた。

旅は健康回復の手段

ヘルスツーリズムは今に始まったことではない。日本にはもともと湯治という習慣があった。草津の湯、有馬の湯などが代表例で、日本全国に湯治場がある。農家では農閑期を利用して、それまで農作業で酷使した体を温泉に滞在して回復させていたし、病人を田舎の空気のいいところで療養させるということもよくあった。

海外でも同じだ。明治の初期に来日し、東京から北海道を旅して、『日本奥地紀行』(平凡社ライブラリー)を著したイギリス女性に、イザベラ・バードという人がいる。バードは幼少期から病気がちだったため、医者から健康回復の手段として外国旅行をすすめられた。そのアドバイスに従って、23歳から旅を始め、アメリカ、カナダ、オーストラリア、マレー半島、チベット、日本、朝鮮など世界各地を旅して歩く。日本に来たのは40歳を過ぎてからだ。

病気がちの人に、安静ではなく海外旅行をすすめるという発想は、なんとも大胆のようだが、イギリスでも旅の効用が認知されていたのだろう。体は休めればいいというものではなく、安静はかえって衰えを招く。旅が適度な運動となることで体力がつき、新しい環境での刺激で心身ともに活性化する。旅のもう1つのメリットだ。

日本人の旅行はしばらくの間、観光や買い物、グルメなどに重きが置かれ、もう1つのメリットは忘れられがちだった。しかし、意識は変わってきている。目いっぱいの観光スポット巡りでくたくたに疲れ、ブランド品ショッピングに夢中となり、過剰なグルメで体重を増やして帰ってくる。そんな旅はもうたくさんという思いが旅行者に広がっている。

(全 4 ページ中 1 ページ目を表示)

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

記事検索 オプション

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る