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黎明期の韓国シニア市場を牽引する イ社長に聞く〜韓国シニアマーケットの現状(2)

(松本すみ子=アリア代表)

 いよいよ介護保険制度が始まり、韓国シニア市場は活性化している。しかし、高齢者向けの介護用品提供にとどまり、娯楽や生きがいを提供する産業やビジネスへの関心はまだ低いようだ。朝鮮戦争後に生まれたベビーブーマーの存在も、日本の団塊世代のように、シニア市場を牽引する要因にはなっていない。

 前回はそんな韓国シニア市場を概観した。とはいえ、韓国も高齢化がさらに進み、近い将来、日本と同じ高齢社会に入ることは間違いない。今回は、実際にシニアビジネスを立ち上げたイ・ワンジョンさんに、韓国シニア世代の現状と自身のシニア市場への取り組みなどを聞いた。

社会保障制度の充実が課題

イ・ワンジョンさん
シニアコミュニケーション社長
梨花女子大通訳大学院卒。夫の都合で2000年まで8年間日本に住む。日本では広告代理店に勤務。義父の介護の経験から、韓国におけるシニアマーケットに注目するようになる。大韓シルバー産業協会国際協力室長を経て、2005年にシニアコミュニケーション社を起業した。

イさんは、韓国の人口は日本の3分の1、65歳以上のシルバー人口は2分の1、したがって、シニアマーケットの規模は6分の1程度しかないと分析している。まして、定年直後から高齢者と言われるまでのヤングシニア市場は、ほとんど動いていないといっていいほどだ。

人口規模は仕方がないとして、今後、韓国でシニアマーケットが育っていくためには、いくつかの課題をクリアしていく必要がある。その中でも、社会保障制度の充実は最重要課題だろう。2008年に始まる介護保険制度はその一つである。

しかし、当初提出された介護保険にかかわる予算は、老齢人口の1.6%しか賄えないようなものだった。その後、大統領の掛け声で政府が緊急措置を発表し、2倍に増えた。ただし、その財源をどこから確保するのかという肝心な部分は明確にされていない。しかも2倍に増えたといっても、16万人分を確保したに過ぎない。

介護レベルは重度の1から軽度の5までの5段階あり、3以上が保険の適用を受けることができる。4または5の場合はすべて自己負担だ。重篤な要介護者は施設に入居する必要があるが、それも潤沢にあるわけではなく、費用もかかるので、自宅に戻される可能性は高い。在宅介護、訪問介護のシステムやサポートも整っているわけではないので、今後は、在宅介護のマーケットが伸びるだろうというのがイさんの予測だ。

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