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市民農園を楽しむ都会派ファーマーが増加〜団塊世代とプチ農業(1)

2007年8月8日

(松本 すみ子=アリア代表)

この夏休みは、家庭菜園や市民農園などで畑仕事でもしてみようと思っている団塊世代は多いのではないだろうか。

最近は農作業がある種の憧れの的になっている。だからといって、これから本格的に農業へ転向しようというわけではない。都会暮らしの合間に、ちょっと土に親しむことで満足や癒しを得たいという、いわゆるロハス志向の「プチ農業」希望者が増えているのである。市民農園の利用者の大半は50、60歳代だという。今回は、そんな都市型新農業の動きを探ってみたい。

農作業のレクリエーション化

以前は、農業回帰といえば、帰農や就農などと言われ、田舎に移住しなければできないものというイメージがあった。ところが、今では農業も都会でもできるものに変わってきている。それは、市民農園や区民農園などが充実してきたからだ。市民農園自体は、レジャー農園、ふれあい体験農園など呼ばれ、以前から存在する。しかし、近年、都道府県・市町村などの自治体、農業団体、NPO、個人農家などの運営母体とシステムが多様化し、利用も拡大した。

去年、全国にある市民農園の数は3000を超えた。個人開設の市民農園を含めれば6000以上あるといわれている。そして、その半数以上が関東地方に存在するそうだ。それ以外にも、正式な手続きによらない個人間の貸借もあるはずだから、都市近郊での“農業回帰”は拡大しているといっていいだろう。

農地を所有して作物を作ってみたいが、出荷するなどという大それたことは考えていない――という人のプチ農業願望に市民農園は合致する。この人たちは、生きるための糧を得る仕事としてではなく、自分や家族、友人・知人で楽しむためのレクリエーションとしての農作業を求めているのである。

市民農園の普及は、利用者だけでなく、遊休化した農地の利用や農業への理解を深めるなど、提供者側にも大いにメリットがある。そこで、農林水産省は、「市民農園整備促進法」を制定して、市民農園の普及と活用、整備に力を注いでいる。この施策も、市民農園が増えた理由の一つだ。

同省が運営するWebサイトで「市民農園をはじめよう」を見ると、市民農園は「サラリーマン家庭や都市の住民の方々がレクリエーションとしての自家用野菜・花の栽培、高齢者の生きがいづくり、生徒・児童の体験学習などの多様な目的で、小面積の農地を利用して野菜や花を育てるための農園のこと」と定義されている。市民農園は、今や都会人の、とりわけ中高年の重要なレクリエーション・アイテムになったのだ。

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