介護・福祉事業は団塊がかかわることで変われる〜団塊の身近に迫る介護問題(2)
(松本 すみ子=アリア代表)
前回は、団塊世代にとって、介護問題はどんな位置づけにあるかを考えてみた。自分はともかく、目を親に向ければ、かなり差し迫った問題でもあり、介護サービス充実への期待は大きい。ところが、コムスン問題で、その介護事業がさまざまな問題を抱え、安心して頼める状況にないということが分かった。
コムスンの介護事業を引き継ぐ事業者がどこになるか関心は高いが、もっと目を向けなければならないのは、「これから誰が介護や福祉を担っていくのか」ということである。高齢社会では、多くの人が介護する側とされる側の両方を経験することになり、介護や福祉からは逃れられない。団塊世代はまさに、その先陣だろう。今回は「介護事業と団塊世代のかかわり」について考えてみたい。
介護事業はもうかるのだろうか?
コムスンがすべての介護事業を譲渡すると発表した。多くの企業が名乗りを上げ、争奪戦の様相を呈している。介護事業最大手のニチイ学館、ワタミと約450社の中小介護事業者が加盟する「民間事業者の質を高める全国介護事業者協会」の連合、そして、ツクイ、セントケア・ホールディングス、ジャパンケアサービスなどである。
介護というのは、そんなにもうかる魅力的なビジネスなのだろうか。有料老人ホームなどはサービスを付加することで利益を出せるものの、介護報酬のみの在宅サービスは維持するだけで精一杯という話を聞いた。在宅介護サービス主体のNPOを運営している友人も、「民間参入といいながら、介護報酬は国が決めているのだから、もうかるわけがない」と話していた。
障害の重い人を扱えば、それだけ介護報酬が上がるが、予防に重点がおかれる軽度の人を多く扱うと、報酬は少なくなる。しかも、昨年改定した介護保険制度では、原則一割の“応益負担”を採用したため、利用者の負担を少なくしようとすれば、事業所の収入が少なくなる。事業所に収入が多く入るようにするには、利用者負担を上げざるを得ない。
だから、「なんとか利益を上げようとして、コムスンのような脱法行為が起きる。今回の問題は、この矛盾した状況を高みの見物と決め込んでいる国の責任でもある」と、友人の怒りはおさまらない。
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