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団塊世代の力を地域に!(1)〜「今、ここにいる住民」へのサポートが第一

2007年3月8日

ちょうど1年ほど前、「自治体による団塊争奪戦」というテーマで、特に、地方の自治体が団塊世代の移住促進策を積極的に展開しているという話(その1その2)を書いた。1年たって見えてきた結論は、アンケートなどの数字に表れたほど、移住やUターン現象は起きないのではないかということだ。むしろ、都会にも田舎にも住んで、どちらも楽しむ“2地域居住”の可能性の方が高いと思う。

特に、首都圏にあるような人口の多い自治体にとっては、既に居住して、今後もそこを居場所とする団塊世代をどのように迎え、活用するかを考えることが急務だろう。地方の自治体にとっても、本当に来るのかどうか分からない人たちの施策に頭を痛めるよりは、既に住民となっている人たちにエネルギーを振り分ける方が得策かもしれない。

今回は、主に自治体や社会福祉団体などが行っている団塊住民の地域デビューのためのサポート事業を調べてみた。そこから、団塊世代が、地域で何を期待されているかが見えてくる。

地域デビュー講座で、背中を後押し

昨年あたりから、主に自治体が主催する地域デビュー講座や生涯学習講座のニュースがやたらと目につくようになってきた。筆者も、そうしたセミナーに呼ばれて話をさせてもらう機会が増えた。最近だけでも、栃木県宇都宮市、千葉県我孫子市、東京都足立区/江東区/稲城市、神奈川県横浜市泉区、愛知県安城市などに出向いている。

こうした講座の目的は、団塊リタイア世代の地域デビューの後押しである。家はあっても地域のことは何も知らない“パートタイム市民”から、地域と共に生きる“フルタイム市民”にスムーズに移行できるように、生涯学習講座や定年準備講座、交流会などを開催している。

もっとも多いのは、生涯学習講座といった形の講演会である。東京都豊島区は、07年2月に、「DANKAi ストーリー 〜今とこれからを考える」を開催した。中高年のストレス、定年後の居場所、ボランティアなどのテーマに基づき、専門家が講演している。こうしたスタイルを取る自治体はまだ多い。しかし、一方的に話を聞くだけのセミナーは、団塊世代にとってもあまり魅力的とはいえない。そこで、さまざまな工夫がされるようになってきた。

積極的に参加者にかかわる取り組みを始めているのは、東京都武蔵野市と八王子市だ。「おとぱ」と呼ばれる「お父さん、お帰りなさいパーティ」を定期的に開催している。パーティだからと、気軽に参加できる雰囲気を作りながら、定年を機に地域活動を始めたい人と地元ボランティア団体などとの出会いの場の役目を作り出している。同じような取り組みは文京区でも始まっている。

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