ヒエラルキーなき社会が生む“フラット型”家族
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企業のあり方が変化する中で、一部の父親たちは家庭回帰を志向し始め、自分たちなりの家族のカタチを探す“家族ブランディング”を始めた。この連載で、私はそういった父親たちの新たな動きを指摘してきた。
この父親たちの動きは、家族を取り巻く古い固定概念を壊し、新しい時代の家族のカタチを模索する作業でもある。家族は、時代とともにいつも変化を続けてきた。たとえば当たり前のように思われている「専業主婦」もほんの30年前に一般化したものである。そしていま、家族のカタチは、大きな社会潮流の中でさらに変わろうとしている。家族ブランディングは、そういった家族のマクロ的な変化とも密接に連関しているのである。
大きな社会潮流の変化、それは「社会のフラット化」と言われる現象である。トーマス・フリードマンの『フラット化する世界』(日本経済新聞社)によれば、世界全体はフラット化(平準化)の度合いを急速に強めている。インターネットの飛躍的な普及、インドや中国の発展などグローバリゼーションの広がりを背景に、かつてあった、「欧米とその他地域」の、「大資本と小資本」の、「メーカー、メディアと生活者」との間のさまざまな「障壁」、「ヒエラルキー」、「役割」の固定化が急速に消失し、平準化されつつある。
これは全世界的な規制緩和であり、価値や情報はどこからでも生産・発信され、瞬時に世界中を駆け巡り、どこからでも変更することが可能になる。
家族志向の父親は、フラットな親子関係を求める
フラット化の進展は、家族のカタチにも大きな影響を与えている。この連載でも日本社会の階層間格差の拡大について簡単に触れてきた。階層格差が広がる一方で、旧来の価値観、社会規範の弱まりから、人々の意識の平準化、平等への権利意識などはむしろ強まっているのである。
家庭においては、家長たる父親を頂点としたタテのヒエラルキーは急速に力を失っている。家族全員で価値観を共有し、「なんでも家族みんなで決める」ことを重視する集団合議制のような家族運営、つまり「ヨコ型」、「フラット型」の家族形態が家族志向の強い父親のいるファミリーを中心に徐々に広がりつつあるのだ。
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