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ベストセラー『下流社会』著者、三浦 展氏に聞く(前編)

2006年7月14日

本コラム著者が、カルチャースタディーズ研究所の三浦展(あつし)氏と対談。父親たちの「家族づくり」が「下流化」する社会からどう影響を受けているのか、三浦氏にざっくばらんに話してもらった。

三浦氏は『下流社会』(光文社)の著者。安定した職と収入を前提として生活を構築してきた「中流」階層モデルの崩壊を唱え、新たな「下流」層の出現を指摘した。

あいはら:『下流社会』がベストセラーになりました。三浦さんは、もともと家族研究もご専門の一つです。「下流化」という流れの中で、家族が今どんな状況に置かれているかという話をお聞かせいただけるとうれしいです。

三浦:中流社会の中心にいたのは核家族だと思います。男性で言えば、ホワイトカラーのサラリーマン、女性で言えば専業主婦が中流社会の主役。この夫婦が子供を2人つくって、団地に住むのが典型になる。そのイメージは今もあると思う。

“中の上”でなければ、もはや中流家庭を再生産できない

三浦 展氏

三浦:『下流社会』でも、「結婚すると中流」というか、「中流になれる人だけが結婚する」と書きました。今、下流の人は「できちゃった婚」でしか家族をつくれない。だから、23歳で子供が2人みたいなタイプと、33歳で結婚して、4、5歳の子供がいて40歳近いよっていう、ある意味、上と下に二極化しています。昔だったら「中流」が「中流という生活」を再生産できたのが、今は、「中の上」でないと再生産できない。

「気楽に楽しく過ごせればいい」と、もともと思ってる人と、確実に将来を設計できる条件がそろった人は、結婚して子供がつくれる。真ん中に、「ある程度計画したいが、計画できない人」がいる。その障害は「雇用」なんですよ。特に男性がね。娘が結婚する相手が正規雇用じゃなかったら普通の親は嫌がります。

子育て支援みたいな仕組みが整ってくると、女性でも正規雇用のほうが、結婚に有利なわけです。昔だと大企業ほどすぐ辞めさせられたけど、今は大企業ほど有利。中小企業じゃ託児所もない。

next: それだけ家族をつくること自体のハードルが高い…

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