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眠れる資産・団塊リタイア世代も、アイデアしだいで活躍の場が増える

 やっぱり、制度とか援助金に期待するより、自前の事業で活動資金を賄えることを真剣に考えるころ合いなんですよね。

島根に明治創業の「吉田屋」という旅館があるんです。後継ぎがいなくて閉館されようとしたところ、24歳の山根多恵さんが若女将になると申し出たんです。

彼女はコストを徹底的に減らし、半期で1年分の売り上げ目標を見事達成。そこで金土日のみの営業にし、週4日は旅館スタッフやインターンと一緒に形が悪くて売れ残る「もったいない野菜」を買い受けたり、世界遺産に登録された石見銀山に増殖する竹を抜いて炭や花器にして売ったんです。

すると前年度比2.5倍の売上になって、中央官僚が自腹で彼女の旅館に学びに来るようにもなったんです。彼女の仲間には、「学生耕作隊」という有償ボランティアを組織して3年間でのべ5000人以上も人手不足の農家に送り込んだ近藤紀子さんがいて、今では「シニア耕作隊」も作って定年退職した人たちにも参加してもらってます。

彼女は安倍晋三前首相と対談し、「地方は困ってますが、政府に助けてくれとは言わない。自分たちで地域サービスを創造したい」って言ったんですよ。

渡邊 その試みはほかの都市でもできますね。リタイアした人たちは眠れる資源。一生社会の一部に組み込まれていることが大切ですね。

 だから、渡邊さんの著作のキャッチコピー、「誰かのために働くってかっこいい」ですよ。ニートやフリーターもそう。彼らほど誰かのために自分の存在が役に立つことを実感したい人たちはいないんです。そういう「もったいない人材」こそ、社会起業をチャンスだと思ってほしいなぁ。

(了)

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