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マザー・テレサでなくても、できることはたくさんある。

渡邊 ネットワークはできたんですか?

 その必要性を痛感するころには、自己破産を余儀なくされていたんです。低所得層出身者は、困っている人がいれば、考える前に手を差し伸べる条件反射には長けていますが、それを持続させるビジネスモデルを産む頭が無いんですよ。

渡邊 困っている人を助けてお金を得ることに対する罪悪感はどの社会でも共通だと思います。一方、「マザー・テレサの再来を待たねば世界が変わらない」というのも納得できません。

そうではなくて、自己犠牲が喜びとなるような特別な人間ではない私たちが食べていけるだけの収入を稼ぎながら社会を変えて行く。つまり社会起業家の出番となるわけです。社会起業とはつまり私たち普通の人間が社会改革の立役者になるということなんです。

 観念的に社会起業を始められるのは、中流以上の資産層だけでしょ。

日本の中流には渡邊さんが書いていらした「コンパッション」が乏しいです。「単なる同情を越えて他人の気持ちを思いやり、苦しみも喜びも分かち合う」っていう気持ち。

彼らには下流層への関心がないし、学生時代に教室でいじめを見ても体を張って止めた経験も無いし、大人になればぬくぬくと自分の幸せばかり追い求めます。

渡邊 これも日本だけではなくて世界共通だと思います。

でも、キリスト教やユダヤ教の国では「困っている人を助ける」というモラルが基本的に社会に浸透しているように思えます。普段はタクシーなどに乗らず、いつも電車やバスを使って、ランチに行くときも安いレストランを選ぶけれど困った人を見ると気前良くお金をあげるという友達は私の周りでは数えきれないほどいます。

そういうとき、ケチケチしている自分を恥ずかしくなります。

(第2回に続く)

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