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 2005年に著書を出版された後、この2年間に状況が変わったという印象はありますか?

渡邊 『チェンジメーカー』を読んでそれまでの仕事を辞めて新しい何かを始めたという方々の存在を知って、「これは大変!」と思いました。それまでは「とりつかれて進んだ」という感じでしたが、これは私の使命かもしれないと思いだしました。

それでそのころから広告やファッションなどの撮影もほとんどせずに、使命としての仕事に打ち込んできました。

■『プライドワーク』を書かれた今さんは、「収入が良くても魂を込められない仕事は続けられない」という視点で社会起業家に関心を持たれたようですね。

今 一生氏
1965年、群馬県生まれ。フリーライター&エディター。97年、『日本一醜い親への手紙』3部作(メディアワークス)をCreate Media名義で企画・編集し、99年に『完全家出マニュアル』(同)を発表。造語した「プチ家出」が流行。社会起業家の広報支援を行う一方、2008年から経済的弱者と一緒に講演に回る活動も始めた。著者HPはこちら

 高卒で低所得者の親に育てられた僕は、「魂を込められる仕事をしたい」と言っても鼻で笑われるという育ちで、貧乏親子は互いに不寛容。関係がめちゃくちゃ悪いんです。

でも、世の中にはもっと深刻な親子関係があります。親から虐待されている子ども。だから虐待されて育った人たちから親には言えなかった思いを手紙に書いてもらって集め、『日本一醜い親への手紙』という本を企画・編集して1997年に出したんです。でも、現在虐待されている子や、夫に虐待されている妻の問題は残された。

そこで99年に、彼らが自立できる具体的な方法を書いた『完全家出マニュアル』という本も出しました。それでも、家出すらできない子は自己評価がすごく低くてリストカット(手首切り)が終わらない。薬も過剰摂取する。心臓や肺に負担がかかり過ぎて亡くなる子もいたので、30代の10年間は自殺未遂者ばかり取材していました。

とにかく当事者に会って、じっくり話を聞く。夜中の電話相談も受けていたし、ドメスティック・バイオレンス(DV)の夫から妻を逃れさせて夫から脅迫状を自宅に投函されたこともあります。

でも、そんなことを続けていると時間や労力がどんどん奪われて仕事ができず、貧乏になるんですよ。だから、助け合う仲間を組織したネットワークを作って、支援が必要な人に対して十分な連絡とケアのできる仕組みが必要だったんです。

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