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(諏訪 弘=フリーライター)

 過去の連載を通して、一貫して皮肉や悪口ばかり書いてきた我らが無名ライター氏。ところが法務局での登記の際、彼はかつてないほど親切な扱いを受けたことに感動した。ああ、やはり無名ライター氏にも人の心があったか。いよいよ連載も大詰めを迎え、ひと安心する編集部である。

OCRのデジタルデータをめぐるあれやこれや

今回は、法務局での登記の際に体験したことを書いてみよう。

というと、nikkei BPnet編集部から「そんなもん、前回の記事に入れ込めやコラ」とお叱りを受けそうだ(私とて「本来ならそうすべきだ」と思わぬでもない)。だが私の法務局での体験はかつてないほど新鮮なものであり、ぜひとも独立した原稿として書き残しておきたいのである。だからこれは、編集部に「姑息な連載引き延ばし工作」と叱責される筋のものでは断じてない。

さて、その前回の連載で、私はOCR用紙について書いた。いわく、専用の用紙がある。「手書きの不可」や「罫線からはみ出してはいけない」など、書式には細かいルールがある。ただし最近はデジタルデータでの納品が認められているので、私はそちらを利用した、云々。

私は、このOCRのデジタルデータだけは内容に自信がなかった。書式は本当にこれでいいのか。記入項目に間違いはないのか。そもそも「デジタルデータ」とは単純なテキストファイルでいいのか、それともMS Wordを使えばいいのかすら分からない。役所の中には古くからの慣習で一太郎を使っているところもあると聞く。もし一太郎での提出が必須としたら、もはや私にはお手上げである。なにしろ頼りにしていた参考書にすら「デジタルデータでの提出には細かい規則がありますので、規定の用紙を使うのが良いでしょう」としか書かれていないのだ。

それでも一応、あれやこれやと調べて「大きな間違いはあるまい」と思われるレベルまではつくった(結局、汎用性の高いテキストファイルで作成した)。法務局の窓口で私は、担当者にCD-Rを示しながら「OCRデータを作成したが、内容の正確さに自信が持てない。念のため確認していただけないだろうか」と頼んだ。

これは「念のため依頼だけしてみた」程度の感覚のもので、だから私は担当者が肯んじえるとは期待していなかった。どうせ彼奴も公務員だ、そんな面倒なことはしたがらないに違いない。「この窓口ではご相談は受け付けておりません」などと、ごく官僚的な対応をするのだろうと思い込んでいたのである。

ところが彼はあっさりと、「そうですか。ではちょっと拝見しましょう」といって席を外した。そして親切にも、CD-R内のOCRデータをプリントして戻ってきた。

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