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大学准教授から見た「年金」問題(2)〜所得比例部分を縮小・廃止して世代間格差を是正すべき

2007年6月19日

(荒川 龍=ルポライター)

(前回はこちら

社保庁は非公務員型組織への改変という自民党案が妥当

■つづいて今回、与野党が提出した年金関連法案については、どう思われますか?

上村 安倍首相が、5000万件もの該当者不明の年金記録を1年ですべて照合すると言っているのは、実務上不可能だと思います。ただ、社保庁を特殊法人に解体して、非公務員型組織にするという改革案の方向性自体は、評価できるのではないでしょうか。

■具体的にはどういう点が評価できますか?

上村 非公務員型組織にすれば、今回のような問題が発覚した際に個人レベルまで責任追及がしやすくなるメリットがあります。業務の合理化と民間委託を進めるという点でも自民党案はいいと思います。国の機関や公務員というのは、責任の所在が曖昧で、誰が、どういう点で悪かったのか特定するのが難しい。今回の責任論もそこがネックになると思います。

社保庁は今、年金の徴収と給付の両方を手がけています。つまり、お金を入れるのと出す財布が同じなわけですから、どうしてもドンブリ勘定になりやすい。

■そういう体質が今回の問題の温床にありそうですね。

上村 驚くべきことに、社保庁の年金徴収業務にどれだけのコストがかかっているかが、現状では何も分からないんですよ。そういう表記項目がなくて、いろいろな経費をまとめた一括表記と省庁独特の会計制度のせいです。 民間企業では当たり前の、費用対効果がまるで見えない組織体制ということです。民間企業なら、「今月一番実績を上げた人物」はすぐ分かりますが、社保庁では分からない。要するに、頑張って徴収しても、頑張らなくても大差ないなら、誰も仕事をちゃんとやらない――となるでしょう?

■それはひどいですね。

上村 費用対効果という面で付け加えると、社保庁はとにかくチラシやパンフレットの数や量が異常に多い。しかも同じ内容のパンフレットなのに、地域ごとに表紙だけが違っていたりする。全国一律にすれば、もっとコストダウンできるはずです。

しかも、広告費をかけて、どれほど国民に年金制度について知らしめているのか、と考えると、費用対効果を何で計るのか議論はあるでしょうけれど、今回のトラブルもふくめて、大いに疑問が残ります。

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