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ビジネスパーソンの医療費〜高齢者がいる家庭には一層重い負担が

2007年7月6日

(諏訪 弘=フリーライター)

 政府が2006年10月に実施した医療制度改革によって、高額医療費の自己負担額が増えた。同時に高齢者医療費も事実上の値上げとなった。政府が2005年度に実施した老年者非課税措置の撤廃で、「現役並み所得者」と認定され、医療費3割負担となる高齢者が増えたためである。

 2008年度には、老年者非課税措置の撤廃による急激な税負担を避けるための経過措置が全廃となる。この結果、3割負担の高齢者の数はさらに増えることが予想される。高齢者のいる家庭は一層の負担が強いられることになる。

 今回は、高額医療費と高齢者医療費に関する情報を整理すると共に、社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーの蒲島竜也さんのアドバイスをお送りする。

高額医療費の自己負担分が増えた

前回は、税源移譲と、定率減税の廃止に伴う税負担の増大について述べた。しかしビジネスパーソンの負担増は、税金だけにとどまらない。医療費にも同様の“改革”が推し進められ、家計に大きな影響を及ぼしている。

直近に行われたのは、昨年(2006年)10月の医療制度改革だ。その詳細は「高額医療費の自己負担増、「上位所得者」の基準変更に注意」をお読みいただくとして、ここでは概略だけ述べておこう。

まず、現役のビジネスパーソンに影響するのが「高額療養費の自己負担限度額の引き上げ」だ。この限度額は、所得に応じて分かれている。「上位所得者」「一般」「低所得者」の3段階だ。2006年10月以降、3割負担の対象が、上位所得者で46万6000円から50万円(プラス3万4000円)に増えた(注、50万円を超える部分は1%の負担)。同様に一般では、24万1000円から26万7000円(プラス2万6000円)に引き上げられた(注、26万7000円を超える部分は1%負担)。仮に、月に100万円の療養費がかかった場合、自己負担額は上位所得者で9860円、一般で7540円の負担増となる(下表)。

拡大

ここで「しょっちゅう大病するわけでもなし、1万円程度の負担増ならば大したことはない」と考えるのは早計だ。というのも、この自己負担限度額の引き上げに伴って、「上位所得者」の定義が広がったからである。2006年9月までは「標準月額報酬56万円以上」を上位所得者と見なしていたが、10月以降は、これが53万円以上になった(国民健康保険の加入者は基礎控除後の総所得金額が600万円以上の場合に上位所得者となる)。

仮に、標準月額報酬53万円以上56万円未満のビジネスパーソンが、月に100万円の医療を受けたとしよう。2006年9月末までは7万9890円の自己負担で済んでいたものが、現在では15万5000円となる計算だ。その差はおよそ7万5000円。これは大きいだろう。

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