上司世代の見方:「君に関心がある」と見せる、伝える〜久米繊維工業社長 久米 信行氏
(長田 美穂=フリーライター)
(前回「30歳世代の見方」はこちら)
コミュニケーションを深めたいと思うなら、相手のことを知る努力が不可欠であるのは、上司部下関係に限らない話である。30歳部下をもつ上司世代に属する久米繊維工業社長の久米信行氏は、「若い人ほど、他者と自分との壁が堅牢になっている。壁を取り払って仕事をスムーズに進めるため、上司世代は、『ブログ読んだよ』と声をかけて、彼らへの関心を示してほしい」という。メールやブログを利用したコミュニケーション円滑化のノウハウを紹介した「メール道」「ブログ道」(NTT出版)の著書がある久米氏は、明治大学で「ブログ起業論」の講座を持ち、若い世代と多く接している。その久米氏が説く、30歳ビジネスパーソンとの交流術とは。
30歳は人生の分岐点。「がんばる40代」になれるか

久米 信行(くめ のぶゆき)氏
1963年生まれ。イマジニア、日興証券を経て1991年に家業である久米繊維工業の3代目社長に就任。97年、Tシャツ製販サイトT-galaxy.comで日経インターネットアワード受賞。年齢、業種、職種を超えたキーパーソンと知り合い、その「縁者」向けに毎日出すメールマガジン「縁尋奇妙」の刊行を97年より開始。03年よりウェブログ「縁尋奇妙日記」「メール道>電子メールの礼儀作法」執筆開始。著書に「メール道」「ブログ道」(NTT出版)がある。
久米氏サイト:http://nobukume.com/
■30歳世代の特徴をどうみるか。
久米 学生時代の半ばに、携帯電話やネットが普及した。メールやブログなどパーソナルなコミュニケーションに慣れ、それらで培った個人生活を人生観のベースに置いている。
従来もそうだが、30歳といえば、仕事においても人生においても、分岐点に差し掛かる年代だ。
まず仕事。今の30歳は、近年の企業の新卒採用減のせいで、上の世代はつかえて残り、下の世代がいないこともあり、「20代の仕事」しかさせてもらっていない人が多い。大企業を中心に、ヒラのまま30歳を迎える人が増えている。
一方では、「店長」といった責任ある業務を任されている人も出ている。若いアルバイトを使う流通業では、30歳はもうベテランだからだ。
私生活においては、30歳なら結婚して家を持ち、子どもを持つ人も出てくる。一方で、独身のまま30代を迎える人の割合も多い。
この分岐点を乗り越えて、30代をどう過ごすかによって、「がんばっている40代」になれるかどうかが決まる。40代の上司世代が、本来は彼らの目標になるべきなのだが、40代の上司世代は、30歳世代とのコミュニケーションに頭を抱えている。
20代の仕事しかしていない30歳世代を目の当たりにすると、頼りなく映る。子どもを持つ30歳世代は概して家族を心から大事にしているので、40代の価値観に照らせば、仕事に身が入っていないように見えてしまう。ハングリーではないのだ。
バブル期を社会人として過ごしたか否かという体験が、職業観に与える影響は見過ごせないものがある。映画「バブルへGO!」を見て、「こんな時代が本当にあったんですか」と驚く30歳世代にとって、40代には集団主義や妙な精神主義が残っているように見え、異質にしか思えない。
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