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ジェネリック医薬品メーカーへの追い風

高齢化社会の到来に伴い、日本の国民医療費は年々増加傾向にある。2003年度は総額で31兆円に達した。このうちの約2割が薬剤費である。厚生労働省は薬剤費抑制策の一環として、2002年に医薬品産業ビジョンを策定し、ジェネリック医薬品を促進する方針を明確に打ち出した。

具体的には、2002年の診療報酬改定で、ジェネリック医薬品を院外処方・調剤した場合には保険点数を加算する優遇措置を設けた。保険点数とは、健康保険を使って治療する際、その内容に応じて医療機関が国にいくら請求すればよいのかを定めた「診療報酬点数表」に記載されている点数である。また、2006年4月から処方箋様式を変更。医師がジェネリック医薬品への変更を認めた場合、患者は保険薬局の窓口で薬剤師と相談しながら、新薬かジェネリック医薬品かを選択できるようになった。

わが国でもジェネリック医薬品の普及に向けた制度が徐々に整いつつある。今後ジェネリック医薬品の普及率は高まると予測される。

消費者主権の時代

20世紀型ビジネスモデルでのマーケティングは「いかに消費者に買わせるか」が主眼であった。しかし21世紀型ビジネスモデルでは「いかに消費者に選んでもらうか」がポイントとなる。

医薬業界においても、この構図が進行している。これまで医薬の世界では、医者が絶対的な存在で、患者は、医者から処方された薬を黙って窓口で受け取るだけだった。薬を選択する権利を有していなかった。

しかし、ジェネリック医薬品に関する情報が豊富になり、かつ処方箋様式が変更されたことによって、患者は、自らの意思で新薬とジェネリック医薬品のどちらにするかを選択できるようになった。ジェネリック医薬品の価値を認めた患者が、ジェネリック医薬品の処方を主張するのは自然の流れであろう。

他の一般消費財と同じように医薬業界においても、患者が自らの判断で薬を選ぶ環境が整いつつある。消費者主権のポストモダン革命が始まろうとしている。

■日本総合研究所 企業革新クラスター
 企業価値向上を最終目標に、事業戦略と財務戦略、および実行マネジメント体制の構築を一体化させて、コンサルティングを提供。
 事業構造改革、企業再生、M&A戦略、事業開発、マネジメント体制改革、営業改革など、数多くのプロジェクトで「戦略の卓越性」と「現実解」にこだわり、「企業革新」を支援している。
 製造業、小売業、不動産業、エネルギー産業、金融業等多くの業種で実績多数。

竹内 祐二(たけうち・ゆうじ)

慶応義塾大学大学院修了(MBA)、都立科学術大学大学院後期課程修了(学術博士)。1998年より日本総合研究所にて、経営戦略、組織改革に関するコンサルティングを手がける。専門領域は、組織を動かす仕組みづくり(マネジメント・コントロール・システム)。著書に『革新できる企業 できない企業』(中央経済社)など。

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