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生産者から消費者へのパワーシフト

メガ・コンペティションとコミュニケーション革命により、企業と消費者との関係も大きく変化しつつある。メガ・コンペティションによる競争の激化は、消費者に企業選別権を与えた。かつて電話を利用するためにはNTTと契約するしかなかった。だが現在では、さまざまな電話会社の中から最も好ましい企業を選ぶことができる。固定電話・IP電話・携帯電話・PHSとサービスの種類も豊富だし、インターネットを用いた代替手段もたくさんある。このような環境で企業が生き残るためには、厳しい競争を勝ち抜いて、消費者に選ばれなければならない。

また、コミュニケーション革命が、それまで企業と消費者の間にあった情報格差を消滅させた。例えば現在の個人投資家は、インターネットを使ってプロ同様の情報を得ることができる。証券会社の営業マンよりも、一般の投資家の方が高度なノウハウや情報を持っていることも珍しくない。

このようにメガ・コンペティションとコミュニケーション革命の結果、企業の市場支配力が大幅に減退し、消費者主権と言われる状況が到来したのである。

ポストモダン消費者が出現

産業化社会における主要生産物(=モノ)は工場で生産され、トラックなどの物的流通網を経由してユーザーに届けられた。こうした環境で経済活動を行うためには、大規模な組織や生産手段を保有する大企業が有利であった。これに対して、ポスト産業化社会における主要生産物(=情報)はコンピュータで生産され、インターネットという電子的流通網を経由してユーザーに届けられる。そこで経済活動を行うためには、基本的にパソコンとインターネットがあればよく、個人であっても大企業に伍(ご)して経済活動を行うことができる。

つまり現代の消費者には、従来の消費者の枠を超えて、主体的に経済活動を行う“プロシューマー”への道が開かれている。ポストモダン化は、企業と消費者の力関係を逆転させるだけでなく、生産者と消費者の境界をあいまいなものにする可能性が高い。

20世紀における消費者は、ビジネス上のパワーを持たない受身の存在であった。これに対して現代の消費者は消費者主権という新たなパワー、すなわち企業選別権やビジネスへの参加権を使いこなしつつある。このようにポストモダンのパラダイムに適応した“ポストモダン消費者”は、今後急速に増加していくであろう。

これに対してほとんどの企業は、いまだに産業化社会の枠組みから脱却できていない。このギャップは急速に拡大しつつある。そして、ビジネスに大変革をもたらすエネルギーは蓄積してきている。

next: ポストモダン革命がもたらすビジネスモデルの革新…

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