ポストモダン革命は既に始まっている〜時代の潮目が変わった!
(日本総合研究所 企業革新クラスター 主席研究員 小屋 知幸)
どうやらわれわれは、大きな転換期に直面しているようだ。
デフレの泥沼をようやく抜け出し、産業界は久々の活況を呈している。1990年代には破綻の際まで追い込まれた金融業や製造業の復活も著しい。そのころ味わった強烈な危機感も、今では和らいだかのように見える。とは言え、そこはかとない不安が付きまとうこともまた事実だ。
現在、多くの経営者が、「過去の成功法則が通用しなくなった」と感じている。また「定番商品が売れなくなった」、「市場のトレンドが読めなくなった」あるいは「社内の意思疎通が難しくなくなった」といった日々の変化から、ビジネスの変調を体感しているビジネスパースンも少なくない。
21世紀のビジネスパラダイムにおいて、20世紀におけるビジネスの成功要因の多くは通用しなくなりつつある。20世紀と現在との間にはまだ数年の隔たりしかない。だが、20世紀と21世紀の“ビジネス景観”はまったく異なることが、実感されるようになってきた。
20世紀型ビジネスモデルの落日
20世紀の“景観”の一面を述べるならば、それは大企業の時代であった。20世紀におけるビジネスの勝者は、ほぼ例外なく大量生産・マスマーケティングのビジネスモデルを確立した大企業であった。20世紀においては大量の経営資源(ヒト・モノ・カネ)を抱え込んだ大企業が、多くの分野で市場支配権を持っていた。
このような“景観”は産業化社会のパラダイムを反映したものである。産業革命以降の近代の歴史は、企業が巨大化し経済社会における主導権を構築してきた過程ととらえることができる。近代の大企業は、大規模な組織と設備を擁し、規模の経済を構築することによって、競争力を高めてきた。20世紀は、このような近代のパラダイムが世界中に行き渡った時代だった。
だが20世紀のビジネスモデルの根幹にあった「大量生産・マスマーケティング」、「経営資源の囲い込み」、「中央集権的組織マネジメント」といった仕組みは、もはや時代遅れになっている。例えば製造業の世界では、ベルトコンベア型大量生産システムの優位性が崩れ、セル生産方式による多品種少量生産が主流になってきた。また流通サービス業の世界では、マニュアルによるオペレーションシステムの優位性が崩れつつある。この業界における“20世紀の覇者”であったマクドナルドやダイエーが、昔日の勢いを失ったのは象徴的な事例と言えよう。
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